「小谷元彦展 幽体の知覚」
会期:2010年11月27日(土)~2月27日(日)
会場:
森美術館森美術館-webサイト内-小谷元彦展ページ
「土屋仁応 個展 私的な神話」
会期:2011年1月18日(火)~2月12日(日)
会場:
MEGUMI OGITA GALLERYwebサイト内-
過去の展覧会情報
作品集「私的な神話 土屋仁応」(MEGUMI OGITA GALLERYにて販売中)
先月、2つの彫刻展に足を運びました。
上記の 小谷元彦展と土屋仁応展 です。
非常に対照的な2つの展覧会で、刺激になりました。
土屋仁応展を先に観ました。
仏像彫刻の在り方にも似た、静かで穏やかな精神性に満ちた展覧会です。
会場の空気も、とても澄みきったピリリ!としたものとなり、
お寺で仏様と向き合う時のような心情で土屋さんの世界に浸ることができました。
土屋さんの彫刻作品からは、優しい静けさを感じると共に、壊れやすさ、儚さ、危うさも感じます。
眺めていると気持ちが安らぐようでもあり、何か壊してしまうのではないか?という不安感も同時に沸いてくるという、不思議な感覚になってきます。
木彫のもつ質感がとても活かされた、彫刻作品群です。
小谷展は、観るというよりも体感するようなもので、なにか瘡蓋を引き剥がされるような気持ちになり、心の奥底にある負の感情に、黒い大きなエネルギーが接近してくるような感覚に陥りました。
日常生活の中で、普段は意識しないような、生と死の問題、皮膚感覚や痛み、存在そのもの・・・様々なことが自身に迫ってきて覆い被さられるように感じ、見終わった後は、何かが吸い取られたような虚脱感がありました。
小谷さんも彫刻出身ですが、「彫刻」というものそのものを問い続けています。
彫刻の持つ物質との問題、重力や形との問題、日本の近代彫刻の歴史への鋭い視点・・・・・。
2つの展覧会を体感して、彫刻とは?芸術とは?・・・と頭の中でめまぐるしく回り、乱高下です。
自分の場合は、「現代根付」というものを基本で考えてしまうわけで、土屋さんの仕事には親近感を覚えるところが多く、小谷さんの仕事には、宇宙的な距離を感じます。「現代根付」と「現代アート」はだいぶ遠い。しかし、現代作家の作品というところでは、同一線上にあるとも思うのです。
スタッフ・橋本
- 2011/03/07(月) 15:32:37|
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