■美術館(展覧会)てくてく日記第34回
企画展
「超絶技巧の明治の牙彫・木彫」2009年8月28日(金)~ 11月23日(月・祝)
清水三年坂美術館
※清水三年坂美術館webサイト
今回は、清水三年坂美術館の企画展「超絶技巧の明治の牙彫・木彫」です。
私(橋本)は、二度に渡って足を運んでまいりました。
最初は、紫苑さんから「三年坂、凄かった!」という報告をメールと電話で伺いました。
一度目は、齋藤美洲さんに同行。先生の解説つきで、作品を見てまわりましたが、中でも、 大内玉藻の風に吹かれる牡丹図の根付の前で漏らした「ここまで、牡丹の花を(風で)動かしたものは、はじめて見た・・・素晴らしい」との感想を聞いて、美洲先生らしい感想だなあ・・と納得したりしました。
二度目は、三昧さんと向円さんとご一緒しました。この日は、清宗根付館関係の集まりが京都であっただけに、三年坂美術館の会場には、他の根付作家の方々(黒岩明さんや前田中さんなど)も数人いらしていて、室内が不思議な熱気に包まれていたように思います。
高村光雲や、石川光明、旭玉山、藻スクールのもの、安藤緑山。
タイトルのとおり、超絶技巧の作品群に圧倒される思いで眺めていました。確かに、彫刻を志すならば、この時代の作品群・作家群をどう考えるのか?というところは、避けては通れないと思います。恐るべき完成度。楽虫さんもブログで書いておられましたが、徹底した技術に到達した結果、宿る精神性のようなもの、気品というものがあるのだと感じます。そういう空気をまとった作品に触れることは、本当に素晴らしい体験です。しかし、至高の技術力のその先に何があるのか?という気持ちも、別の部分であります。完成しきった彫刻技術を持つ高村光雲、石川光明らの後に、彼らを追い越して、その先へ行った者がいたでしょうか。
すべての芸術のジャンルを通して、過去の巨匠の作品群の前で、ではこれからどうするのか?という問いは繰り返されているわけで、その行方を見続けることも、現代の作家を応援する楽しみのひとつです。
- 2009/11/19(木) 23:14:50|
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