今月3/11(土)より、花影抄/根津の根付屋のギャラリースペースにて永島信也さんの個展を開催いたします。
昨年の個展で初めて本格的に“日本神話”をメインテーマとされた永島さんですが、今年はその流れを引き継ぎつつ、
旧くから伝承されてきた神話のエピソードが、もしハッピーエンドだったら…という視点を切り口に、作家オリジナルのエピソードをのせた作品を発表します。
充実した人物の作品に加え、今回は久しぶりに様々な脇役としての生き物モチーフも加わり、展覧会タイトルの「ハッピーエンド」を体現した、豊かで楽し気な出品ラインナップとなっております。
是非多くの方々にご来場いただき、作品をお楽しみいただけましたら幸いです。
今年も昨年に引き続き、出品作品の一部については抽選販売のかたちをとらせていただきます。
以下、展覧会概要となります。
★展覧会概要永島信也 根付彫刻展「ハッピーエンド」
2023年3月11日(土)~19日(日) ※13日(月)休廊
13:00〜19:00(最終日〜18:00まで)
作家在廊予定日:3月11日(土)、12日(日)、18日(土)、19日(日)
【作家の言葉 永島信也】僕は「因幡の白兎」の物語が結構好きなのですが、ウサギがサメを騙して仕返しされてしまう場面ではいつも"もっと上手くやれよ"と思ってしまうんです。皮を剥がれるという描写も結構痛々しくて苦手です。このエピソードがなければ大国主の優しさとその兄弟たちの意地悪さは伝わらないわけですが…。しかし、ウサギがちゃんとサメの数を数えて海を渡っていたとしても大国主とは出会っていたでしょう。それが縁というものだと思います。というわけでちゃんとサメを数えた因幡の白兎をつくりました。これが今回のテーマにしようと思ったきっかけでした。
そのほかの作品も全てハッピーな内容の作品となっております。恵比寿も地元島根の美保神社(美保関)に伝わるちょっと悲しいエピソードをハッピーエンドに改変したものです。恵比寿は事代主、大黒天は大国主と同一神とされ、えびすだいこく両参りとして出雲大社と美保神社の両方にお参りをするとさらなるご利益があるとされています。
信仰には恐ろしい存在も良い力として昇華するような一面もあります。自分の作品もそういったものでありたいなと考えています。
根付は江戸時代の装身具ですが、当時は現代でいう腕時計のような立ち位置だったのではないかと僕は考えています。しかし、現代ではその用途としての役目は薄まり、根付というバックグラウンドを持った美術品としての位置付けが一番しっくりします。最近は根付というルールの中で何をやれるかのいわゆるゲーム的な要素も強いのではないかなと感じるようになりました。もちろん現代でも着物に根付をつける古来の使われ方をされることもありますが、洋服に合わせた使い方やバッグの中に入れてお守りとして持ち歩くような現代的な使い方もあります。そもそも使用されずにコレクションされるものが大半ですが、それもこのルールがあるからこその価値となっているのです。
僕はこれまでサブカルチャーを起因とする美少女的モチーフを根付に落とし込むような作品づくりをしてきましたが、最近はそのもう一歩先である「キャラクター」を根付に落とし込んで制作しています。ゲームなどでもそうであるように妖怪や神話の神々を「キャラクター化」することが今の自分の大きなテーマとなっています。
【ギャラリーより】昨年に続き「日本神話」がテーマの内容です。展覧会の内容については永島さん本人が熱く言葉にしていますので、そちらを読んでいただくとして、私は永島信也さんが向き合う「現代根付」というものについてお話しします。
「元来の根付という道具・装身具としての在り方」から「現代での美術工芸品としての在り方」の中で、永島さんも試行錯誤を繰り返してきたと思います。
初期においては携帯ストラップを作り、その後、小振りの彫刻や装身具(ペンダント)としての作品も手掛けた時期があります。次の段階では懐中仏にヒントを得て御守りとしての作品も制作しました。それらの合間で木彫のフィギュア作品も手掛け、根付と装身具と彫刻とフィギュアの間を模索してきたと言えます。それは今も続いているのですが、この数年はソフビのようなもの、マスコット的な在り方も探求もしていました。それは「持ち主の身近に在るもの」としての作品の可能性を探すものだったのではないでしょうか。作り手としての自身の心地良さ、そしてコレクションする受け手側の心地良さ、その共感点を探し続けているのだと思います。作品の持ち主の心地良さとはどこにあるのか?それを考え続けることは、その時代の人間のことを考えることにもつながり、大切なテーマであると思います。今回の展覧会のテーマの「ハッピーエンド」はシンプルで真ん中過ぎるテーマですが、いつの時代でも人々の心の願いであることは間違いありません。
「掌の中に納めて鑑賞する工芸品である根付」の現代での役割は、永島さんの言うように人(持ち主)の心の受け皿であったり、気持ちを寄せたり、願望を託したりする存在であるのかもしれません。 (花影抄/根津の根付屋 橋本達士)
★一部出品作品の先行抽選販売につきまして(2023年3月11日(土)19時をもちまして、先行抽選販売は終了いたしました。現在は通常販売中です。)今回の個展では、全12点ほどの出品を予定しております。
そのうち人物をモチーフとした根付4点につきましては、3月8日(水)より本blogにてご紹介し、会期を先行して抽選販売の形をとらせていただきます。
(出品作品のうち残りの約8点は、主に生き物をモチーフとした根付です。こちらは従来通り、会期中に先着順にてご注文を承ります。)
以下のスケジュールにて先行抽選販売をいたします。
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抽選販売のエントリー受付期間は、2023年3月8日(水)~会期初日の3月11日(土)19:00までとなります。・エントリー作品数の制限はございません。ご希望の方は複数の作品へエントリーいただけます。
・エントリー方法は、メールでのお申込みに加え、会期初日のみ会場でのお申込みも承ります。
【メールでのお申し込み方法】
netsukeya@hanakagesho.com宛てに、エントリーをご希望の作品番号と作品名を明記の上、合わせて以下5点の項目をお知らせください。
お名前
電話番号
郵便番号
ご住所
当選になった場合の作品受け取り方法(ご配送orご来店)
※ご配送の際には、送料として500円をご負担いただきます。
メールの件名は「永島信也展 抽選販売申し込み」としてくださるとスムーズです。
・エントリー受付期間終了後の3月11日(土)の夜に抽選を行い、当選の方には当日中にメールにてご連絡させていただきます。
抽選から外れてしまったお客様へも、翌12日(日)にかけてご連絡を進めてまいります。
・当選後のお支払については、ご配送の場合はお振込み、ご来店の場合は現金またはカード(1回払のみ)で承ります。
・抽選後の翌12日(日)~は、通常販売(先着順)へと切り替わります。
- 2023/03/01(水) 14:00:00|
- 永島信也(神奈川)
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