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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

由良薫子 陶根付展 いきものをみつめる 終了のご挨拶

由良薫子 陶根付展 いきものをみつめる
2022年10月15日[土]~23日[日]
Gallery 花影抄
※ギャラリー過去展覧会情報ページ


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手前 「蕎麦清」


●由良薫子さんの2回目の陶根付による個展は、おかげさまで無事会期を終了いたしました。

会場にお越しくださいました皆様、インターネットを通じてご覧くださった皆様、関わってくださいましたすべての方々に、作家共々御礼を申し上げます。有難うございました。

作品の確かな成長や皆様の期待を感じる展覧会となりました。

搬入をふくめて4日間、由良さんとは会場で作業をしたりミーティングをしたりする時間がありました。

根付についても、いっしょに参考書籍のページをめくったりして、良いやりとりが出来たと感じています。

器の作品で活躍されているわけですが、根付についても充実した展開を模索していきたいと願っております。

見守っていただけましたら幸いに存じます。

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●今回の由良さんの陶根付展の会場で現代根付の楽しみについてよく考えてみました。

「蕎麦清」などに代表される精緻な印象の作品はやはり人気で、手元で覗き込んで鑑賞する楽しみ、細密で工芸的な技術に期待される部分が大きいと感じます。そっと指先で鑑賞されている場面が印象的でした。

「だんごいか」などに代表される丸っこい作品は、使う場面をイメージしながら掌の中で握々(にぎにぎ)して感触を確かめるように鑑賞する方が多いようでした。

順番に作品を手にとっていると、個々の作品に対して「鑑賞の楽しさ・身につける楽しさ」どちらを優先して見ているか?というようなことが、だんだんはっきりわかってくるように自分は感じました。陶根付は現代根付の中ではマイナーな部類ですが、素材の特性によって、現代根付全体が持つ「鑑賞のされ方、楽しみ方」が凝縮しているようでもありました。


陶芸作品は多くの人に馴染みやすく、鑑賞の間口を広げられることは大切なことだとも思いました。
器の作品で由良さんをご存知の方々が、根付は初めてご覧になられたというお話しも会場で何度かお聞きしました。
現代根付作品が、現代で広く受け入れられて、活発になるためにヒントをいただいた展覧会となりました。


最後に題材について。
由良さんの作風には「生き物について」と「落語や言葉遊び」、そして「妖怪の類」の3つが主にはあると思います。
そのバランスが今後、どのように広がったり深まったり、混ざりあったりしていくのか、ご本人にもまだわからないことだろうと思いますが、今後の制作活動を楽しみに見守っていきたいと思います。

とりとめなく書いてしまいしたが、あらためて、お客様と由良薫子さんに展覧会の無事終了の御礼を申し上げます。

今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。有難うございました。

(Gallery花影抄/根津の根付屋 橋本達士)


  1. 2022/10/26(水) 22:45:58|
  2. 由良薫子(岐阜)