「個展を終えて」佐々木泰宏/作家便り12月
シカゴのカエル

ティントイ2年くらい前に個展をやろうと決めて、今年11月に開催出来たことは一つの達成感を与えられました。作品が思いどおりに出来なかったり、目標の数に足りなかったり、なかなか思いどおりに行かない点が多かったにもかかわらず、関係諸氏の助けによりなんとか開催にこぎつけました。本当にありがとうございました。展示は形彫り根付13点と提案型根付2点 計15点 でした。
この中の提案型根付を今日は紹介したいと思います。
この提案型は根付になりそうな既製品や思い出の小物を利用して、ひも穴を開けて作品としたものです。街で、お店で見かけたものを買い求めて、また自然の材料、木の実とか貝殻とかそのままの形を生かして……。これは通常根付作家が創る形彫りとは違って時間もかからず、あまり努力を要しないで完成出来ます。自分の好みに応じて気の赴くままに集めたもので本人の趣味が色濃く反映される一品となります。日頃の制作からはなれ自分の作風が広がった様にも感じられます。自分でコツコツと作り上げる形彫りが“垂直思考”とするならば、この提案型根付は“水平思考”というところでしょうか、様々なものから自由に選べますし、こんな根付ばかりを創る新しいタイプの作家も出てくるのではないかと考えられます。根付の原点回帰と言えるかもしれません。これからも時折“水平思考”を活用して根付創りをすすめていきたいと思っています。
※シカゴのカエル-----これはメモクリップとしてホテルのショップで売られていました。裏に付いていたマグネットを取り外しひも穴を開けたものです。
※ティントイ-----ブリキ製食玩です。分解して内部を補強。 ひも穴を開けました。
- 2008/12/18(木) 13:37:55|
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