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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り 「2019年4月/中梶真武 (神奈川)」 

中梶真武です。
久しぶりの更新になってしまいました。

先日Twitterで制作途中の作品画像と共に道具の事を呟いたときに、
ふと、自分が仕事をする上で使っている道具の紹介をしつつ、
それを使ってる時に感じる心地よさだったり、手を動かしながら考えている事を書いてみるのはどうかな?
と思ったのでそれを何回か続けみようかと。

この道具でこんな事が出来ますよ!というよりは、
この道具使ってる時はアガる!だったり、気持ちを切り替えるときにこの道具を手に取るようにしているなど、
かなり個人的な事を書くつもりなので、作っている人やオススメ工具を知りたいと言うような方には
あまり参考にならないとは思いますが、
仕事をする上でこういう心持ちでやっているという事が道具の話を通して、
ちょこっと伝われば良いかなと考えています。



初回は「ヤスリ」

僕の場合はこれが無いと仕事にならないというくらい重要な道具です。

根付であれば荒彫りから仕上げ前の整形まで、形状、目の粗さなど、様々な種類を使い分けています。
ジュエリーの制作でも形を出していく基本はヤスリなので、磨きに入るまでに一番多く手に取る道具だと思います。

blog19040501.jpg

↑ちょうど現在制作中の作品で使っているヤスリたち。根付を作る時は割と目が粗いものが多いです。



根付を彫る時、材を削り取っていくスピードでは電動工具のリューターに敵いませんが、
ヤスリは単純に使っていて気持ちが良いんですよね。

直接手に持ち自分の力で押して削るので、
道具と体の感覚のブレが少ないというか、使っていてしっかり目指す形に近づけているなと感じられます。

自分の作品では、全体の流れの美しさや、内側からの張り感を大切にしていて、
ヤスリを使った方がそれが上手く出るなという感覚がずっとあったのですが、
前に美洲先生と話しをしていた時に「ヤスリをかければかける程良い形になる」と言ってもらい、
この感じ間違ってなかった!とグッと心でガッツポーズをしたのを覚えています(笑)

リューターの方は、ガシガシ削れる分、油断すると求める良い形を通り過ぎてしまって
全体が痩せた印象になる事があり、少し神経使います。
(これは個人的な得手不得手の話で、リューター使いの作家さんも沢山いて、素晴らしい作品を作っていますので
どちらの道具を使っているから良い悪いと言いたい訳ではないので念のため。)


そうは言っても作業効率の関係でかなりの割合でリューターも使用していますが、
作業中に仕事が雑になってきてしまったり、気持ちだけが逸ってきてしまっているなと感じた時には
必ず一度ヤスリに持ち替えるようにしています。

昔気質にアナログだから良いんだ!と言いたいわけではなく、
ただ単に自分の求める形が出しやすく肌に合っているんだろうと思います。

こう書くと少し大げさな感じになってしまいますが、
削るときに伝わる感触や音なども心地良く、
物作りを始めた時の手を動かすだけで楽しかった感覚を再確認させてくれる、
背筋を伸ばしてくれるような、僕にとって大切な道具です。


初回、書き始めたら思ったよりも長くなってしまいました。次回はもう少し短くまとめます!

次はリューターの予定。なんやかんやいって凄くお世話になってます。
  1. 2019/04/05(金) 20:00:53|
  2. 中梶真武(神奈川)