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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り「18年11月 /紫苑(伊勢)」

11月によせて

11月になり、また一つ歳をとる…。
根付を作り始めてから15年目に入ろうとしている。
ギャラリー花影抄に作った作品を扱ってもらうのは、2007年3月に「伊勢・飛騨根付展ー木のかたち」からだから11年も経った。

そこで、ちょっと昔の話をしよう。

大阪美専の彫金アクセサリー専攻の研究科を卒業して名古屋が本社のジュエリーメーカーの製作部に入った。
25の時、色々な事から精神的に不安定になり、鬱状態と自律神経失調症になった。毎日の頭痛・嘔吐・低周波音の過敏症に不眠症…休職の後、退職することになり、会社の元先輩の所に転がり込んだが、また同じように辞めてしまった。
辞めて27ぐらいからは、ずっと家にいて元の会社や他の制作会社のジュエリーのワックス原型とかをアルバイト的に作っては日銭を稼ぐ日々を過ごし、30ぐらいの時に根付という物を本で知った。でも、その時は根付を作るというより根付みたいなアクセサリーを作りたいと思っただけで伊勢根付の存在すら知らなかった。
ある時、市の図書館で木彫会の展示があることを知り、根付が展示されている事を知り、観に行った。
ちょうど森本先生がその場にいて色々説明してくれ、作ってみたい旨を話すと中川先生の工房を教えて頂いた。
中川先生の工房に見学に行って黄楊を貰い「これで何か彫ってみな。」と言われたので、1ヶ月ぐらいかけて「ヤマネ」を彫り、先生に見て貰いに行った。
その後、何度か遊びに(見学に)行っては話を聞き、教えて貰うようになり、三重県内のギャラリーでの根付のグループ展にも参加させて頂けるようになった。
ある時、先生の所にギャラリー花影抄の橋本さんから飛騨との木彫根付展の話を頂いたが、当時、先生は根付彫刻会の会長の任にあり、忙しくしていたので僕の方に話が回ってきた。当時、工房に通っていた若い2人の生徒と3人で、出品させて頂く事になって、それ以降、ギャラリー花影抄一本でお世話になっている。
未だに25からの頭痛も音の過敏症も毎日の事で、遠出をすれば(名古屋辺りでも)一発で頭痛が酷くなるような自分だから、もちろん旅行とか苦手(というか行けない)なのだけど、二回の個展と安剛さんとの2人展とを開いて頂き、東京には、一日二日しか居ないような愛想のない対応でも、色々な作家さんと話が出来たり、交流が広がったり…。
50も半ばになってきて、ダメダメな人生を送ってきた自分でも、一つ何か、自分のコアになるようなものがあれば、こうして結構生きてられるもんだなぁと根付と関わってくれた方々に感謝しています。

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根付を習う前に始めて黄楊で彫った「ヤマネ」。今でも車のキーにつけて使ってます。
  1. 2018/11/08(木) 20:18:55|
  2. 紫苑(伊勢)