根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り 「2017年10月/佐野藍(東京)」 〜10年越しの願い 複号展〜

皆さまお久しぶりです。佐野藍です。

今月6日よりグループ展 「±(複号)の彫刻家たち展 」(参加作家 松田重仁 藤本明洋 佐野藍)に参加しております。

今回のブログでは、この複号展に参加させて頂いた経緯と、複号展の趣旨について、お話ししようと思います。
参加作家で本展示の発起人である松田重仁さんは、主に木と金属を用いた繊細な彫刻を作られている方で、
彫刻家の先輩であると同時に、わたしの中高時代の同級生 けいなちゃん のお父様でもあります。

けいなちゃんとは中学一年の頃から友達でした。クラスが隣で、委員会が一緒だったのを覚えています。

中高一貫校で、約6年間同じ学び舎に居ましたが、同じクラスになったことはありませんでした。
高校に上がり、当時わたしはバンド活動やお絵かきに夢中、
けいなちゃんは大人っぽいギャルで、ジャンルは違いましたが、
何かと会えば話してくれて、当時から表面的なところで人を判断するのではなく、人のこころを見て話してくれる子だと思っていました。

そして忘れもしない、高校3年のとき、私が彫刻を学び出したと知った、けいなちゃんが、「わたしのお父さんが、彫刻家だから、何かあったらいつでも相談して」と言ってくれたのです。
かれこれもう10年ほど前のことですが、その時の事は、今でも鮮明に覚えています。
あの瞬間の空気というか。きっとすごく嬉しかったからだと思います。

約10年ほど時は経ち、昨年あった中高時代の同窓会をきっかけに連絡先を交換することができました。
10年の間、ことあるごとにけいなちゃんのことを思い出していたので、嬉しい再会でした。
その後けいなちゃんを展示に誘った所、家族で来て下さいました。
そこで、松田重仁さんとお会いすることができたのです。
この方が、あの時にけいなちゃんが言っていたお父様!と、お会いできてとてつもなく嬉しかったです。
その時に展示していた作品をご覧頂き、今回の展示の趣旨に合うということで、±(複号)の彫刻家たち展 に誘って頂いたのでした。


では、その±(複号)の彫刻家たち展 の趣旨とは、、

手業を持った彫刻家の作品は何かと「工芸的だ」と称されてしまうことがしばしばあり、
それは彫刻家として、屈辱的な評価とされることがよくあります。
そもそも工芸の分野は日本の誇るべき文化で、日本はもともと手業の文化があるにもかかわらず、
明治以後西洋の文化や教育が流れて来たことにより、その様な風潮が根付いた様に思えます。
しかし、今は世界と繋がりやすい世の中で、日本人としてどの様に作品を表現、展開していくかという中で、
手業というのは日本の特徴であり、いまこそ必要な力だ、という考えのもと、
その様な特徴のある作家で起こしていく活動や運動を広げようという試みです。
そして、大切なのは手業の先にある、「個」です。
日本人特有の「手業」、そしてその先にある伝えたいことや個性、表現。
それらが融合する作品や作家活動を複号 と位置づけ、そんな活動の第一回目が、今回のグループ展です。

今までモヤモヤしてたところが明瞭になり、がっつりとしたカテゴライズでなく、含みがあるところに安心感がありますし、
表現した作品に対してなにかと後ろ指を指されて来た自分に居場所ができた気もしています。

そんな複号展も、会期後半です。

10月14日は、16時からトークショーがあり、
松田重仁さん、そしてヴァンジ彫刻庭園美術館の学芸員、森啓輔さんと、私で対談させて頂きます。
お時間ございましたら、是非お越しくださいませ。

展示会場に在廊していると、
松田さんとのご縁に未だに不思議さとありがたさと嬉しさがこみ上げて来ます。
10年前に、けいなちゃんが私に言ってくれたことが、今現実になっている、、。
あの時の優しさが時を経て、私の経験になっています。本当にこの機会に感謝です!!

「± 複号の彫刻家たち展 Vol.1」

2017/ 10/6(金)-10/16(月)。
出展アーティスト:佐野藍、藤本明洋、松田重仁。
10/14アーティスト・トークあり。
会場:みるめギャラリー(調布市)
http://mirume.com/gallery/

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  1. 2017/10/12(木) 16:26:14|
  2. 佐野 藍