現在開催中の金井麻央展「翳に紡ぐ」の展示作品をご紹介いたします。蒔絵の技術、それに彫刻の
技術を加えた、金井麻央独特の動物への畏敬の念を込めた世界観を感じて頂ければ幸いです。
「ハオマ」
径8.5cm、高さ5.5cm 399,600円
素材:漆、麻布、檜、アフリカンブラックウッド、鹿角、金、銀
技法:研出蒔絵
作家の一言
天空の光と影をイメージし、二頭のムフロン(羊の原種といわれている)を彫刻、蒔絵で表しました。
聖樹(ハオマ)を中心に動物が左右対称に置かれる構成は古代ペルシアの天空信仰に基づくと
考えられています。天空にめぐみの雨を降らせる深海を、樹の下に動物が生きる楽園を願った人々
の想いを想像しながら制作しました。


「黎明」 (箱根付)
4.5×3.9cm、高さ1.3cm ※御売約済
素材:漆、ブナ、顔料、琥珀、純銀板、金粉、微塵貝
技法:研出蒔絵、平蒔絵、銀平文、琥珀象嵌、螺鈿
作家の一言
正倉院宝物には美しい光沢を放つ様々な素材の象嵌的装飾が見られます。
天平時代の人々が透視されて輝く光に魅了されたことを想像します。
天空に咲く花に、新しい時代の夜明けを見る花鹿をイメージし、箱の内部に表しました。

「奏」
径8.5cm、高さ3.1cm 280,800円
素材:漆、栃、金、銀、顔料、薄貝、白蝶貝
技法:螺鈿、銀平文
作家の一言
青く光る流星とともに舞う、二羽の鶺鴒(せきれい)の姿を表しました。
正倉院宝物「螺鈿紫檀阮咸」などに見られる、花や綬帯などの飾りをくわえた鳥の文様は
含綬鳥文(がんじゅちょうもん)とよばれ、ササン朝ペルシアに祖形をもちます。
この含綬鳥文から着想を得て、日本で身近に見られる鶺鴒をモチーフとしました。


※上から撮影
「花鹿」
径8.5cm、高さ6.6cm 367,200円
素材:漆、麻布、檜、ピンクアイボリー、金、銀、白蝶貝
技法:研出蒔絵
作家の一言
春、やわらかな風が吹き、小花咲く野原を駆ける若い牡鹿の初恋をイメージし
制作しました。ゆるやかな旋回式構成で、小花を蒔絵で描きました。



※上から撮影
「瑞青」
径10.5cm ※御売約済
素材:漆、麻布、顔料、鹿角、金、銀、薄貝
技法:螺鈿、乾漆、平蒔絵(銀)
作家の一言
様々な地域に生息する動物、空間を埋め尽くす植物文様を銀蒔絵で描き、
生き物たちの生命力、ひとつの星に流れる時を表しました。正倉院宝物の
「銀薫炉」から着想を得ました。

「宙」
38×15cm(蒔絵部分の平面のみ) 540,000円
素材:漆、木、金、銀、黒蝶貝
技法:研出蒔絵、厚貝螺鈿
作家の一言
夜空にひとときだけ紡がれる光が降り注ぎ、時空をこえて逢いたい人に
逢いに行ける、そんな場所を想像し蒔絵で表現しました。

作品についてはギャラリーのお問い合わせフォームでご連絡くださいませ。
他の角度の画像もご用意ございます。
お問い合わせフォームTEL : 03-3827-1323
金井麻央展「翳に紡ぐ」 展覧会情報
2016/10/22(土)~30(日)
※24(月)休廊
13:00〜19:00(最終日は18:00迄)
- 2016/10/27(木) 20:00:00|
- 金井麻央(神奈川)
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