根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

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作家便り 「2016年2月/金井麻央(千葉)」 漆について…と近況

こんにちは。金井麻央です。
気温が下がり、年明けとともに日増しに漆が乾きにくくなってきている時期となっています。

“乾く”と書きましたが、漆の乾燥(硬化)には適度の温度と湿度が必要です。
水分が蒸発して乾くという意味の“乾燥”とは意味が異なります。

漆は空気中の水分を吸収し、漆の主成分であるウルシオールが酸化重合して固まります。
摂氏20~30℃・湿度65~80%の条件が漆の硬化条件で・・・
(ちょっと化学の話になってしまうので省かせて頂きます・・・)
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とにかく漆は盛夏の温度、湿度で最も速く乾きます。
しかし、夏期、とくに梅雨の時期は温湿度が強すぎて硬化が速いため、仕事が途中で進まなくなることがあります。

逆に今の時期、冬期は乾燥までに時間がかかるため蒔絵などに向いています。
春秋は温度湿度ともに漆には適していますが、実際には一年通してそのときの
気候に合わせて、使用する漆の硬化と、乾燥室の湿度調節をしながら日々制作している現状です。

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漆の説明だけで長くなってしまいました・・・。
最近は蒔絵、螺鈿といった加飾を中心に制作しながら、正倉院宝物や
天平の文様などに関する書籍などを読んでおります。

学生の頃に学び、実際に研修で正倉院を見学もしたこともありました。
自身がある程度の技術を学び、制作し失敗したりした上で、改めてその技術が奈良時代を
源流としていることを考えると、大袈裟ではありますが感動を覚えます。

千年以上前に大陸から渡ってきた美術品がもつ歴史。そしてそれを守り伝え続ける人々。
宝物に表された鳥や動物たちのユーモラスな表現・・・。

このように日々妄想したり感じたりしながら、次なる作品の構想を練っております。
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  1. 2016/02/17(水) 15:09:30|
  2. 金井麻央(千葉)