根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

道甫、防破線引きと一葉記念館に行くの事

拝啓、青葉の候、すっかり春になり学生たちを堕落させるといわれる黄金週間が過ぎる頃、
隠者のごとく篭って根付を制作していた所、
ふと、ブログに記事出してねぇと思い、筆を執った次第で御座います。   
ご無沙汰しております。ドーモ 道甫です。

作品の傾向、特色は作家の気質や思想、好みによって作られるものです。
それを知るには実際に作者と話し、作品と対話してというプロセスを経て、長年培うことで得られるものです。
それを行うには時と場所を要するという問題がついていきます。
だがしかし、今は文明開化の時代、いんたーねっとで情報を発信できるというのです。
最近、食品に載っている「私が作りました情報」のような、そんな感じで活用してみたいと思います。

思考を文章化して発信することは皆さんにとっての広告であり、作者にとっての思想を熟成するものです。
思想を熟成するというのはどういうことなのか。それは思想の構築と見直しのプロセスです。
私は漠然と思想を思い浮かべて作品を制作しています。その思想とは言葉にしがたいものであります。
作者が作品としても良いと思うフォルムの基準に到達したときに作品と成るのです。
ではその基準とは何か。それが作者が持ってる思想といっても過言ではないでしょう。
制作ではなんとなくその思想を用いて行動できますが、それを高めたり、人に説明することは、なんとなくでは出来ないものです。
文章にすることは、他の人に分かるように言葉にしがたいものを言語で代用しなければいけません。
その過程で自分の思想を掘り進んで鋼の精錬ごとく叩き鍛えるのです。故に思考を文章化して発信することは大切なのです。
変なことを書いても怒らないでね?という謎の防破線を引いたところで前書きは終わります。

東京の台東区にある一葉記念館に行ってきました。

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樋口一葉という女性作家は5千円の人として有名です。
当時、男尊女卑の世の中、女性というハンデを抱えながら、小説家という職業として作品を世に出してきました。
どんなにすばらしい作品でも、世の風潮によっては作品も認められず、尚且つ作者の人格さえも否定するようなハンデを持ちながら、作品を出し続けるというのは実にすごい事と、館内を歩きながらしみじみ感じました。
夜な夜な、筆になれるためと意味づけでツイッターとかで写経や水墨画を描いておりますが、
樋口一葉の達筆な和歌を見て、目指す頂はまだまだ遠しと、思い浮かんできました。

その一葉記念館の企画展[樋口一葉と硯友社]で小説家尾崎紅葉の父、尾崎谷斎の根付を飾っていました。
尾崎谷斎の根付は安価な鹿角をデザインをもって芸術性が高い根付を作り、
谷斎の根付を持っていない芸者は本物ではないといわれた超売れっ子カリスマ根付師です。
独自の作風から谷斎彫りといわれ、そのデザイン性から明治のデザイナーの代表の一人としてみてもおかしくはないでしょう。
私も主に鹿角を使用して制作していまして、谷斎の根付は非常に勉強になっています。
道甫彫り(!?)といわれるような根付を世に送り続けたいものです。
精進と精進を重ね日々励んでいきますので、これからも宜しく御願い申し上げます。

敬具

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途中で寄った稲束稲荷神社にあったおきつね様
  1. 2014/05/20(火) 19:16:20|
  2. 道甫(千葉)