根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

藤沼哲展 2013/9/12~17 (gallery坂 )

木彫家・藤沼哲の言葉

私は、自然に非常に高い関心があります。
幼少の頃から自然の中で遊び自然に親しんできました。
虫取り、釣り、野山をかけずり回り泥だらけになっていました。
捕まえてきた虫や魚は、可能な限り飼育していました。

読書は、文学作品ではなく図鑑を観るのが好きでした。

自動車の運転ができるようになると行動範囲を広げ、釣り、キャンプを楽しみました。

大学では、環境科学を専攻し雨水の化学成分を分析して、大気中の汚染物質の動向を研究しました。
卒業後、セラミックスエンジニアとして企業で働きました。
私の作品には大学、エンジニア時代の「理科系」の経験が活かされていると思っています。

自然の中にいると「気分が良い」「美しい景色、動植物に感動する」等はもちろんですが、
「なんだ!これは?」「どうして?」と思う瞬間にとても心が動かされます。
それは未知の物を発見した喜びや、知的欲求を刺激された事だと思います。

これらの快感、なにか新しい物を求めて、
自然の中をきょろきょろしながらさまよっているのでしょう。

自然の中では、視覚・聴覚・嗅覚を総動員して、あらゆる気配に心を向けます、
すると「変わった物」を発見します。
「変わったもの」は美しい物とは限りません、しばしば醜い、気持ち悪い物であったりします。
それでも、私にとっては「なんだ!これは?」「どうして?」という感情を持たせる重要な物です。
私はこの「なんだ!これは?」「どうして?」を作品として表現したいと考えています。


自然はあるパターン、規則性を持っています。(構造、模様 etc )
しかしそれは定規できっちり測ったような物ではなく、ある曖昧さ、揺らぎを持っています。
私はその曖昧なところ、揺らぎに美しさを感じます。
しばしばクローズアップして観察します。
そこにとても面白い形、パターンを発見します。
こうした「記憶の断片」を再構築した物が私の作品です。
この事を私は、生体模倣(バイオミメティック)と表現しています。

創作工程に木工旋盤(ウッドターニング)を取り入れています。
木のかたまりを回転させながら削る行為です。
回転運動は、身の回りにあふれています。
天体(惑星の動き)、車輪、ギヤ、歯車etc.
回転運動は私にとって、自然そのもの、途切れなく続くものの象徴です。

私にとって回転運動は有機的な独特のフォームを生む重要なプロセスなのです。

私が作る物は自然の中に同じ物はありません、抽象作品です。
しかし「どこかにありそうな、いそうな」「どこかで見たかも」と言う
バイオミメティックな「写実感」を持たせたいと思っています。
作品を通して、私が自然の中で感じる喜び、驚き、
「なんだ!これは?」「どうして?」と同じような感覚を感じていただければと思っています。

展覧会では、作品を手に取ってあらゆる方向から観察して欲しいと思っています。
私が森の中でそうするように。


My Curiosity III  9/12より gallery 坂 でオープンです。

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藤沼哲展
My Curiosity III wood sculpture
2013年9月12日(木)~17日(火)
gallery坂-webサイト
  1. 2013/09/10(火) 18:55:12|
  2. 藤沼哲(東京)