根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り「13年8月/泉水(東京) 」

根付をつくる様になってから、江戸について考える事も多くなりました。

銀座や日本橋を歩くとき、この通りは江戸時代からあるのだ、と思うと、
かつての町並みを想像して、色や匂いを想像し、歩く人々の数を減らして
洋服を着物姿に換えます。

ちょっとだけ雑踏が楽しくなります。

私の妄想の中の江戸の匂いは土埃の匂い、町の色はトーンの低い、渋めのパステルカラー。
人々は皆、ひき目かぎ鼻おちょぼ口。路地から出て来るのは、尻尾の短い斑の、
赤い絞りの首輪をしたでっかい猫。。。。要するに出典は浮世絵。

私の中の江戸の知識はそんなものです。

浮世絵は絵師が気になるものは大きく描かれるし、人物や景色もデフォルメの
お手本みたいなものですから、私の妄想する江戸の町並みは本当の江戸とは
かけ離れたものかも知れない。

今読んでいる本が、杉浦日向子氏の「江戸アルキ帖」。
設定はタイムマシンのある世の中,主人公は週末ごとに江戸へ赴きます。
江戸の人に成りすまし、江戸の町ここかしこを歩き、時につまみ食いをし、
湯屋に行ったりもします。主人公が現代へ戻ってきては描いた(江戸には
現代の物持ち込み禁止の為)という設定の江戸の町のイラストが添えられては
いますが、江戸を学び尽くした杉浦氏の書くこの本を読んでいて感じる江戸の
色や匂いは、私のこれまでの妄想のそれと変わらないのでした。

現代の誰も行った事のない(たぶん)江戸の匂いは、やっぱり浮世絵から
感じられるあれなんだな、と、確信しました。

タイムマシンができたらやっぱり江戸に行って、まずは猫の大きさを確認したいです。 

猫と女
こちらはうちのサンタ(元野良、オス、もうすぐ1歳、6kg)を超えるであろう国芳の描く巨猫

泉水

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  1. 2013/08/31(土) 12:12:45|
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