根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り「13年4月/かぶ(東京)」

「サントリー美術館『歌舞伎』展を見て」

ここ数日、新歌舞伎座の話題で賑わっていますね。
新しい歌舞伎座では三階からも花道が見えるというので、
三階席からしか観た事のない私にとっては有難い事です。
外観は以前とあまりかわりがないですが、内装は大分違うようなで、
どのようになったか入ってみたいものです。

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※「サントリー美術館」webサイト内『歌舞伎展』

サントリー美術館で『歌舞伎座新開場記念展「歌舞伎」』という展示を見て参りました。
展示の中で目を引いたのが、小道具としての根付と提物でした。
遠くからでも見えるようにかなりの大きさで作ってあります。
前金具は蝙蝠でした。
さて、根付はどんなのかなとみると・・・?
   
寺社建築で「乳金具」あるいは「乳唄」と呼ばれる
釘を隠す為の飾り金具があるのですが、それにそっくりです。
昔はそれを転用して根付としていたのか、あるいは全く別物なのか。

「歌舞伎」展のチラシに《重要文化財「歌舞伎図巻」》という絵が
載っていますが、この絵で出雲阿国が腰に提げているのも、
同じ「乳金具」のような形のものに見えます。
 
16世紀の桃山時代には腰に物を下げるという習慣があったとされていて
その時代の生糸貿易の際に証明印として使われていた「糸印」という
銅製の判子(今の印根付のような形のもの)が、根付の役目をしていたそうです。

《重要文化財「歌舞伎図巻」》は17世紀のものなので、
この「乳金具」に見えるものも実は糸印なのかな、と思ったり
出雲阿国はキリシタンの装束で踊っているので、それとなにか関連があるのかなと思ったり。
でも、調べても分からず謎のまま・・・です。

糸印は中国の明の時代のもの、
乳金具などの飾り金具は桃山時代の寺社建築に盛んに使われたものと時代はだいたい同じなので、
帯に掛かるものなら色々と着けてみたのかもしれません。

結局は謎のままで申し訳ないのですが
こうして色々と思い巡らせてみるのも根付の面白さかなと思いました。

※webサイト『根津の根付屋』かぶ紹介ページ
  
  1. 2013/04/05(金) 18:59:58|
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