根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り 「13年3月/かぶ (東京) 」

「郷コレクション」を見て。

一月に郷コレクションについて書かせていただきましたが引き続き、
郷コレクションの中で気になった根付について書かせていただこうと思います。

前回は蘭亭の「狐忠信牙彫根付」でしたが蘭亭は他にも数点の展示がありました。

鹿唐子
「鹿唐子牙彫根付」

臼兎・河豚漁夫
「臼兎牙彫根付」 「河豚漁夫牙彫根付」

子犬・鼠
「子犬牙彫根付」 「鼠牙彫根付」

「鹿唐子」は唐子が楽しそうなのはもちろんですが、鹿も楽しそうです。
目の象嵌など、特に笑っているように工夫しているようには見えないのですが
笑みをたたえているような表情です。口元の柔らかい表現の所為でしょうか。
唐子が鹿のお尻を抱えていて、それがなんとなく鹿のやわらかさを感じさせます。

唐子って何者?といつも疑問だったのでした。
辞書には「中国風の格好をした子供」とありますが、発端はなにかなと調べてみると
朝鮮通信使の行列に付いて舞を舞う童子の姿だそうです。

朝鮮通信使とは古くは室町時代、その後途切れたもの江戸時代に復活した
李朝からの使節で、その行列は正使だけではなく僧侶や書家、画家など総勢五百人。
その他、荷運びの者などもついての大行列で、物珍しくたいへん人目を引く行事。
しかも、二十数年に一度程度の事だったそうなので、その中で見たことのないような
格好で舞踊る子供というのは、夢のような世界だったのでしょう。
 
鹿は神の使いとされています。
鹿と唐子の間になにかいわれがあるのかと調べてみましたがその関連は分かりませんでした。
ただ、唐子は七福神と一緒に描かれたりする事が多く七福神の中の福禄寿も鹿と関係があるので、
そういった事からの図案かもしれません。天上で遊ぶ鹿と唐子といった雰囲気を感じる根付でした。
 
臼兎はぽてっとした兎のフォルムがとても可愛い根付です。
餅をつき終わったあとなのか、臼の中を覗いているようです。

子犬の根付には足元に鮑があります。鮑は女性を現すのに良く使われれます。
子犬は多産の象徴なので子孫繁栄といった意味合いの根付なのでしょう。

蘭亭は京都派と呼ばれています。
根付は始め、上方で流行し発展していったと言われていてその中の京都派は動物の特徴を
より強調した形彫りの根付につけられた分類でどちらかといえば、怖く迫力のある雰囲気
の根付でしたがのちのち上方より江戸で根付がさまざま発展していきその後、蘭亭は江戸
の人物根付を取り入れ京都派の主流になったと言われています。

ですが、人物に限らず動物も大変魅力的です。
もしかしたら、動物が動物的でなく、人的な表情や雰囲気を湛えているからかもしれません。

とにかく、かわいい~と言ってしまう蘭亭の根付でした。

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  1. 2013/03/05(火) 18:40:38|
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