根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り「13年1月/守亜(群馬)」

守亜です、芸道に身を捧げる者の端くれとして、
本年もますます精進させて頂きますので御贔屓の程、よろしくお願いいたします。

今年はすこし変わった形での作品展示を考えておりまして、
現在花影抄のスタッフさんとも話し合っています。
もう少ししたらお知らせできると予感しておりますが、
何故気まぐれなワタシの性格故、またワタシの作業の進み具合故にお知らせが
春くらいになってしまうことも予想されます。
その際はなにとぞご容赦いただきまして
「今年も守亜はなんだかいろいろやっているみたいだなあ。」
などとご理解いただければ幸せに存じます。

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「鰐亀根付」
4.9 x 4.1 x 3.9 cm
素材/レジン (樹脂)
20体限定

さて、新作のワニガメ根付です。
原型自体は去年末に完成していたのですが、気持ちも新たにということと、
「少し変則的な作品展示」の皮切りみたいな気持ちを込めて
年明けの睦月に発表させていただきました。
ワタシのブログの方では一足お先に製作状況などをエントリーしていましたので、
ぐずぐずとしている様にやきもきされていた方もいらっしゃったのかもしれませんが、
お待たせいたしました。というか、そんな方はもうご売約いただいておりますよね、きっと。
ありがとうございます。
このレジンで製作、複製したエディションのある根付シリーズも今回で7作目で、
その中でも特に要望をいただくワニガメをモチーフにしたものを三たび作ってみました。
こう同じモチーフばかり作っていて飽きないのかなぁと自分でも思うのですが、
自分の好きなモチーフ、生き物に限ってはそんなことも全く無く、
かつてはシルバーアロワナやシーラカンスをそれぞれ5点以上作っておりますし、
スローロリスやフクラガエルなどはストラップ仕様の小作品も含めると10点以上になります。
他にもワタシが得意としている生き物が何種類かありますが、
その時々で新しい発見と言っては大げさなのですが、
新たな解釈と気持ちで造形を楽しんでおります。
今回のワニガメ根付についても、前の2作とは違った視点や造形のまとめ方を盛り込んで
最新型の作品に仕上がっています。
それはここ最近のワタシの造形の傾向でもあるのですが、
今回のワニガメもより抽象度を上げていくかたちで造形しています。
とは言え抽象度を上げるといっても、単純に情報量を減らすという意味ではなく、
ワタシの想う理想のワニガメ像に近づけるべく、
その理想とする方向性に従って各パーツをシンボリックに作っています。
その一端を例を挙げて言うならば、さらにワタシの前2作のワニガメ根付を所持されている方は
比べて見ていただければわかりやすいのですが、
わかりやすいところでは甲羅などは、今まで実際のワニガメの甲羅を観察した上で、
リアルさを残しつつ立体としての面白さが出るようにディフォルメしていました。
その考えは今作でも変わっていないのですが、
それでもなんとなく曲面を多用した過去2作に比べて、
今回は平面の組み合わせで情報を整理し、ソリッドな印象を与えつつ、
それぞれの甲板(甲羅の一枚一枚)は明確な意思を以て成長していくんだと、
大きく強くなっていくんだというワニガメの意思みたいなものを込めたつもりです。
もちろん甲羅だけではなく他の部位も新たな気持ちでモチーフとなる生き物と
(今回はワニガメと)向き合って、生き物を造形しています。

当たり前の話ですが、「生き物」は「生きている物」と書きます。
もちろん自分以外の生き物はどんな意思でそこに存在するのかわかりません。
ましてやワタシが使う造形素材は生き物ですらありません。
ですが、生き物造形という職業に身を置く者として、
今回のワニガメ根付の製作を通して、
作る生き物を活き活きと生かしていくような仕事をしていきたいと、改めて思った次第です。

・webサイト「根津の根付屋/守亜」
・作家個人ブログ「アクアプラントジャーナル」
  1. 2013/01/22(火) 14:25:52|
  2. 守亜(群馬)