お世話になっております。作家のカタクラです。夜風も暖かくなってまいりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
僕は最近制作の傍ら、スーパーで買った豆苗の苗を育てるのにハマりつつあります。
多肉植物に手を出そうか検討中です。
新作の根付が出来上がりました。
自分なりに古典を引用出来ないかな?というところが発端で、
石見根付などを参考にしつつ自身の日常生活で見る場面を織り交ぜた作品に仕上がったかなと思います。
作家として色々なチャンネルを持っておきたいという願望も有るので、
ヒビの入った石っぽいテイストはシリーズとして展開したいなぁ。
今月はもう一つ蜘蛛の作品を作る予定ですので、併せてご高覧いただければ幸いです。

さて、自分のお話は一旦おいて、
先月ギャラリーの方に付き添う形で、中国は上海で活動している元気造物さんというディーラーさんの展示会に行ってまいりました。
今月はその報告も兼ねて色々書いてみようかと思います。
(※ブログを見て頂いてる方に改めて申し上げる事でもないとは思いますが、
あくまで作家個人の見解なのでギャラリーの意向とは無関係であるとお伝えしておきます。)
まず状況説明ですが、
簡単に言えば「今現在中国においても現代根付作家は育ってきており、
マーケットも成立しつつある」といったところでしょうか。
現状日本のようにアートフェアやギャラリーでの展示、というよりは、
ディーラーとコレクターの直接的なやりとりが多いようにも感じました。
またあちらの方では自分が買った根付作品を他の方に売るという取引も盛んに行われているとのこと。
この辺りの所作は現代美術ぽいというか、布教活動と経済活動が一緒に行われているのかなという印象です。
続いて気になった作品をいくつかご紹介。

↑植物×髑髏の作品。こちらの作家は本さん。
女性の作家さんだそうで、根付だけではなく平面の作品も作ってらっしゃるそう。
シンプルに上手。

↑こちらは根付ではなさそうですが石のアイテム。
作家は楊大鵬さん。
やはり中国は石彫文化が盛んとのこと。石扱ってみたいなぁ。

↑妖怪根付案件。
作家は英喆さん。
お腹をくり抜いて肋骨とかまで彫られてる。上手いなぁ。
これらはほんの一部。膨大に写真を撮ったのでまとめを作成しました。
どなたでもご覧になれる仕様なのでお時間有る時にでも覗いてみてください。
→上海 元気造物 訪問記
https://togetter.com/li/1341732
今月は以上になります。
元号も変わり俄かに慌ただしくなるような気もしますが、皆さま御自愛ください。
Twitter→@moyamoyakurakurInstagram →kenta_katakura2019年 4月 カタクラ ケンタ
- 2019/04/29(月) 22:09:22|
- カタクラケンタ(千葉)
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今年は大きな行事もあり来週末から10連休が始まります。
根津のギャラリー営業日は通常と同じで週末の金曜日、土曜日、日曜日の営業となります。
遠方からお越しいただくお客様のご予約も入ってきておりますが、営業日は13時~19時
オープンしておりますので、お立ち寄りください。

現在開催中の上原万征さんの根付彫刻展は28日まで。
来月は根付作家の道甫さんの個展も5月18日より始まります。
こちらもどうぞよろしくお願い申し上げます。
- 2019/04/21(日) 17:54:42|
- 店舗営業のお知らせ
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上原ノ万征根付ノ展覧会
2019年4月20日[土]~28日[日]
13:00~19:00、最終日は18時迄

「鷲」(万征式鏡蓋根付)
上原万征さんの個展が始まりました。
初日は、早い時間から国内外からの御客様で賑わいました。
「ものづくり」に、ひたむきで、そして楽しい気持ちを持ちつづけて臨んでいる姿勢や熱が作品から伝わってきます。
「鏡蓋根付」というマニアックなジャンルを追求する作品が並びますが、
万征さんならではの「言葉遊び」の感覚も楽しんでいただけたら!と思います。
ご本人が、言葉の連想ゲームや、作品の裏話などを会場で丁寧に説明してくれます。
是非!御来場いただき、実際に作品に接していただきたいと思います。
何卒宜しくお願い申し上げます。
作家のことば(上原万征)作品を作る上で当初からブレる事無く続けているテーマは、根付の一様式「鏡蓋根付」の可能性と進化です。
これまで根付彫刻(制作)の基本を守りながら、独自の解釈でギミックの導入や彫刻との組み合わせ等、新しい形へのチャレンジをしてきましたが、今回の個展でも決してブレない。
そして今回はその万征スタイルを生かしつつ、今までよりも彫刻部分に重点をおいた作品が中心となります。およそ10点の出品となりますが、可愛い・かっこいい・面白い・怖い・不思議といった感情からモチーフを決めています。
会場で、万征根付の世界を感じて頂けたらと思います。
- 2019/04/20(土) 20:20:17|
- 万征(東京)
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拝啓 弥生の候 急に暖かくなったり寒くなったりでてんやわんやしてる頃、
近況報告の為、筆を執った次第で御座います。 ご無沙汰しております。
ドーモ 道甫です。

先日奇想の系譜展を見に東京都美術館に行ってきました。 この展覧会は辻惟雄さんが
出版した奇想の系譜を元にして企画されたものです。 1969年に提唱したものが今
2019年公のもとに築き現れている。 そしてそれが当たり前のように見れるのが
スゴイと思いました。 色々参考になるになるものを見つけるため回って観ていますと、
良いモノが多く普通の見物になりそうでした。 特に心に残っているのは、伊藤若冲の
象と鯨図屏風。 思わず「これ...根付じゃん...。」と心の中でつぶやき零れるものでした。
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私が思う根付感の一つがあの象なのだ。 ディフォルメされた躯体。達観なのか法悦して
いるのかわからない目。これが良い。 良い(語彙力消滅) 違うジャンルを見て共通する
ものを見出す。もしくは、自分にとって使えそうなものを探すそんな展覧会でした。
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- 2019/04/11(木) 20:14:29|
- 道甫(千葉)
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4月10日より六本木のA/Dギャラリーで開催するブレイク前夜展Part2に
永島信也が参加いたします。

ブレイク前夜展×
六本木ヒルズA/Dギャラリーブレイク前夜展 Part2 2019.4.10(水)~4.21(日)
Pre-breakthrogh~ Exhibition of the next generation artists~
浅香弘能 浦川大志 金巻芳俊 神田さおり 木原千春 鮫島大輔 杉本克哉
平良志季 冨田伊織 富田菜摘 永島信也 ヒグラシユウイチ 藤田朋一
宝居智子 松枝悠希 山田航平 宮岡貴泉

永島信也 根付「猪娘」
永島は新作の根付「猪娘」をはじめ、根付、立体作品の3点を出品いたします。
ぜひ、足をお運びください。よろしくお願いいたします。
- 2019/04/07(日) 21:30:54|
- 永島信也(神奈川)
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中梶真武です。久しぶりの更新になってしまいました。
先日Twitterで制作途中の作品画像と共に道具の事を呟いたときに、
ふと、
自分が仕事をする上で使っている道具の紹介をしつつ、
それを使ってる時に感じる心地よさだったり、手を動かしながら考えている事を書いてみるのはどうかな?
と思ったのでそれを何回か続けみようかと。
この道具でこんな事が出来ますよ!というよりは、
この道具使ってる時はアガる!だったり、気持ちを切り替えるときにこの道具を手に取るようにしているなど、
かなり個人的な事を書くつもりなので、作っている人やオススメ工具を知りたいと言うような方には
あまり参考にならないとは思いますが、
仕事をする上でこういう心持ちでやっているという事が道具の話を通して、
ちょこっと伝われば良いかなと考えています。
初回は「ヤスリ」僕の場合はこれが無いと仕事にならないというくらい重要な道具です。
根付であれば荒彫りから仕上げ前の整形まで、形状、目の粗さなど、様々な種類を使い分けています。
ジュエリーの制作でも形を出していく基本はヤスリなので、磨きに入るまでに一番多く手に取る道具だと思います。

↑ちょうど現在制作中の作品で使っているヤスリたち。根付を作る時は割と目が粗いものが多いです。
根付を彫る時、材を削り取っていくスピードでは電動工具のリューターに敵いませんが、
ヤスリは単純に使っていて気持ちが良いんですよね。
直接手に持ち自分の力で押して削るので、
道具と体の感覚のブレが少ないというか、使っていてしっかり目指す形に近づけているなと感じられます。
自分の作品では、全体の流れの美しさや、内側からの張り感を大切にしていて、
ヤスリを使った方がそれが上手く出るなという感覚がずっとあったのですが、
前に美洲先生と話しをしていた時に「ヤスリをかければかける程良い形になる」と言ってもらい、
この感じ間違ってなかった!とグッと心でガッツポーズをしたのを覚えています(笑)
リューターの方は、ガシガシ削れる分、油断すると求める良い形を通り過ぎてしまって
全体が痩せた印象になる事があり、少し神経使います。
(これは個人的な得手不得手の話で、リューター使いの作家さんも沢山いて、素晴らしい作品を作っていますので
どちらの道具を使っているから良い悪いと言いたい訳ではないので念のため。)
そうは言っても作業効率の関係でかなりの割合でリューターも使用していますが、
作業中に仕事が雑になってきてしまったり、気持ちだけが逸ってきてしまっているなと感じた時には
必ず一度ヤスリに持ち替えるようにしています。
昔気質にアナログだから良いんだ!と言いたいわけではなく、
ただ単に自分の求める形が出しやすく肌に合っているんだろうと思います。
こう書くと少し大げさな感じになってしまいますが、
削るときに伝わる感触や音なども心地良く、
物作りを始めた時の手を動かすだけで楽しかった感覚を再確認させてくれる、
背筋を伸ばしてくれるような、僕にとって大切な道具です。
初回、書き始めたら思ったよりも長くなってしまいました。次回はもう少し短くまとめます!
次はリューターの予定。なんやかんやいって凄くお世話になってます。
- 2019/04/05(金) 20:00:53|
- 中梶真武(神奈川)
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こんにちは!金属造形作家の坪島です。
前回から少し間が開いてしまいましたが、坪島の博物館レポート第二回を書かせていただきます!
今回は入館時間が遅く時間がなかったため地球館B3Fの1フロアについて書いていければと思います。
国立科学博物館の開館時間は通常9:00~17:00ですが、金・土などは20:00まで
やっているので週末会社帰りなどにもさらっと寄れてしまう粋な計らいです。


前回非常に重要なものを撮り忘れてしまっていました。建物外にあるシロナガスクジラの実物大模型です!
この大きさ、お分かりいただけるでしょうか。。?
これが現存する生物であるということに感動を禁じ得ません。死ぬまでに一度は実物を見てみたいものです。。
B3Fは”自然のしくみを探る”をテーマにそれに貢献した科学者の、発明された測定器などの紹介、
宇宙や物質の法則を学ぶことができます。

B3Fのフロア案内




原子の結びつき方による物質の変化について
酸素や硫酸などが結びつくことによりさまざまに変化する銅元素の変化を例に展示しています。
金工の着色技法もこういう化学変化を利用しているわけで、それがどういう反応から起こるのか考えるのも興味深いです。




分子に存在する右手型と左手型
分子には同じ原始の結びつきでも形が鏡合わせになっているものがあり、それにより性質が異なるものがあるそうです。
メントールの分子が例として展示されているのですが、右手型と左手型で少し匂いが違うようです。
実際に嗅いで体感できるのが楽しいです。私には今一違いが判りませんでしたが…笑


様々な計測器
使用法はわからなくてもなぜか心躍ります!


様々な物質と原始構造


霧箱という宇宙から飛んでくる素粒子を観察できる装置
実際に装置の中に絶え間なく発生する素粒子の飛跡を観察できます。今この瞬間
自分の身体にも宇宙からの粒子が当たっていると思うと不思議な気持ちです。。
ちなみにこのように電気を帯びた粒子を荷電粒子と呼ぶそうですが、どうしてもゾ〇ドの
荷電粒子砲を思い出しワクワクしちゃいます 笑
B3Fは難しい内容が多いですが、その分実際に体験できる展示やわかりやすい
模型などで工夫してあるので子供たちも楽しそうに見学していました。理科の教科書で
読んだときは今一ピンとこなかったことでも、実際に体験して理解することができるのが
博物館のいいところですね!
今までは科博に来てもこのフロアは飛ばしがちだったのですが、改めて見てみると
色々な発見があり勉強になりました。

科博では3月21日から特別展「大哺乳類展2」をやっています。
ポスターからして非常にそそられるので私もぜひ行こうと思っています!
アニメの見過ぎか、ここに使われてる動物から某獣の友達が活躍するアニメが連想されてなりません…
さて、来る4月6日、花影抄にて2日間の週末作家在廊を催していただきます。
そこで新作の一発変形作品、過去作可変ツルッパや可変狛禽なども
展示しますのでどうぞよろしくお願い致します。
可変狛禽はしばらく在庫を切らしていたので私自身しばらくぶりの対面ですが、
中々の出来に仕上がりました!素材を変更したおかげで印象も違っていますので
皆様にご覧いただけるのを楽しみにしています!
- 2019/04/02(火) 13:48:10|
- 坪島悠貴(東京)
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