今月、三人展に参加して頂いた漆芸家の金井麻央さん。今月より作家便りを頂くことになりした。
当ギャラリーでは初めての漆芸の作家さんですので、まずは漆芸のことを中心にお便りくださることになりました。
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はじめまして。漆芸をしております、金井麻央と申します。
10月の三人展にお越し頂いた皆様ありがとうございました。たくさんの方に見て頂き、感謝しております。
展示が終わり、数日は気持ちを新たにと、道具の手入れなどをしていました。
初ブログ投稿の今回は、漆芸には欠かせない道具の一つである箆(ヘラ)の作り方をご紹介させて頂きます。
漆の一滴は血の一滴、酒の一滴も血の一滴
…というわけで、漆を扱う際、一滴たりとも無駄にしないためには常に先がシャキッ!ピタッ!とした箆が必要になります。
箆にも様々あり、パレットナイフの役目のように、漆塗りの前段階として"下地"を混ぜ合わせる合わせ箆、
下地をつけるつけ箆、練り合わせに用いる練箆、などがあります。
つけ箆は器物の形状に合わせ箆先を加工したりします。用途に応じて作ります。

用途によってはプラスチック箆なども加工して使ったり、鯨の髭で作ったり、竹などでも作ったりしますが、
今回はヒノキのつけ箆の作り方をご紹介します。
まず、箆木を用意します。箆木とはヒノキを薄く割ったままの板のことをいいます。

これは学生の時に丸太から切り出したものです。樹齢約300年!!薪割りからスタートしました。
体力がいりますね…
まずはじめに一枚の箆木を木目に対して斜めにカットします。小刀で表と裏に切り込みを入れます。
それを何度か繰り返します。

すると綺麗にぱかっと割れ、一枚の箆木からふたつの箆が作れます♪

続いて、ふたつのうちの一枚を裏から釘を打ち付けた板に打ち付けます。

鉋で平らな面を作ります。こちらが箆の裏面になります。

裏を平らにしたら次は表をあてます。表は前の方が薄くなるように鉋で削ります。


側面もあてます。手で持つ部分は角を落とします。

続いて塗師刀で角度を決めて先を切ります。

塗師刀とは漆工に使用する道具のひとつで、箆を削るときや刷毛を切り出すときにも使います。
普通の小刀より刃渡りが長いです。

刀の裏をしっかり当てて、削ります。これはつけ箆にしますので、先の方はあまり薄くせず、
少し手前を削るようにします。

するとこの様に"しなり"ます。

下地を薄く、均一につけるにはこのしなりが重要です。
最後に箆先を砥石等で整えて仕上げます。こうして箆が一つ出来上がりました。
このままだと漆を吸い込んでしまうので、一度摺り漆をして漆の吸い込みを止めてから使います。
(私はせっかちなので省いてしまうことも…反省。)
300年余生きた木を削って作る道具。手入れをしながら大切に使わなければと、身が引き締まります。
一回目にして、箆の紹介だけで大変長文になってしまいました。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
※そんな金井麻央さんの作品は
こちらでご覧頂けます!
- 2015/10/30(金) 17:00:16|
- 金井麻央(神奈川)
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発売中の雑誌「アートコレクターズ」2015/11月号にて、
先日終了致しました「金井麻央・狛・中梶真武 三人展」について、
「展覧会レポート」の頁にて紹介して頂きました。

「アートコレクターズ」2015/11月号/113頁
※月刊アートコレクターズ-webサイト
- 2015/10/28(水) 21:31:45|
- 掲載メディア
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こんにちは。かわさきみなみです。

来月はGallery花影抄にて個展をいたします。
大きな時間の流れの中で、
少しずつ変わることを繰り返す。
そうやって生きてる。
今回の個展に向けて作ってる犬達からは、
そんなことを思わされます。
生きている間は
栄養を取り入れて、
足りなくなったところがあったら
また新しく取り入れる
ということをずっと繰り返します。
今回の展示では、栄養 を 色 に置き換えて
繰り返し栄養を取り入れる様子を
作品ごとに変わっていく犬の体の模様で描き出します。
取り入れる色はその時によって違っていて
その時その時の色を作りながら生きているのだと思うのです。
目に見えるほど、実感できるほど大きな変化は無くても
今日一日を過ごした自分は確実に昨日の自分ではなくて、
もちろん明日になれば今日の自分はなく、
明日の自分になっているのです。
変わりたいと思ってもすぐに大きくは変われないけど、
変わりたくなくても何かは少しずつ変わっていく。
それは、時間の流れの中にいるから…
11月の個展では、そんなことを考えながら
生み出された犬達が並びます。
ある犬の模様の変化していく様子から
時間の流れを感じてもらえたらと思っています。

かわさきみなみ展 「今日のいろいろ」
2015年11月14日〜22日 ※19日休廊
- 2015/10/22(木) 10:00:52|
- かわさきみなみ(千葉)
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「金井麻央・狛・中梶真武 三人展」は、10/18 、おかげさまで無事終了致しました。
三人三様の個性の光る展覧会となり、各々の出身ジャンルを横断するかたちで、
本当に幅広い御客様にも恵まれました。
御来場下さいました皆様、インターネットや雑誌媒体をはじめ、
様々な形で応援を下さいました皆様に、作家・スタッフ一同、
心より御礼申し上げます。有難うございました。
今後とも、若い三人を見守って下さいますよう、お願い申し上げます。
また私どもも、いつまでも注目して頂けるように励んでまいりたいと思います。
何卒宜しくお願い申し上げます。
Gallery花影抄
- 2015/10/21(水) 18:19:29|
- 展覧会
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現在開催中、三人展の金井麻央さんの作品御紹介です。
掲載していない角度からの画像も御用意しておりますので御希望の方はお問い合わせください。
「豆と鼠」 鹿角、漆、金、銀 (蒔絵) L3.8cm
※ご売約済
「春日(棗)」 栃、漆、鹿角、金、顔料 (蒔絵) 径6.7×高さ5.9cm ¥270,000

「夕月夜」 黒檀、漆、金、銀、黃蝶貝、顔料 (蒔絵、厚貝螺鈿、沈金) 3.3×2.7×1.2cm ¥248,400


中には月と波の様子が広がっています。


裏には、千鳥の足あとが沈金によって表現されています。
「Messieurs(緒締 bebe)」 鹿角、漆、金、銀 (蒔絵) L3.1cm ¥194,400
※ご売約済
※お問い合わせは、根津の根付屋の「お問い合わせフォーム」よりお願い申し上げます。
- 2015/10/14(水) 23:17:34|
- 金井麻央(神奈川)
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現在開催中、三人展の狛さんの作品御紹介です。
掲載していない角度からの画像も御用意しておりますので御希望の方はお問い合わせください。
「未たちの沈黙」 鹿角、鼈甲 L5.7cm

「王の帰還」 黄楊、べっ甲、ピンクアイボリー、鹿角 L4.8


「ゴッドファーザー」 黒檀、鹿角、べっ甲 L4.6cm

「未頭骨」 鹿角 L3.7cm



「ノーチラス」 鹿角、貝 L3.9cm


- 2015/10/14(水) 22:52:10|
- 狛(東京)
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紫苑です。
例年なら、伊勢では稲刈りが8月末から9月の頭に終わるのですが、
2つの台風、5回の大雨警報、雨が降るたびに大雨注意報…のために、
今年は3週間も遅れてしまいました。(T-T)
それでも、ようやく穏やかな日常が戻り、
伊勢は、神宮の神嘗祭に合わせて、10日から16日の間、おおまつりウィークです。
いろいろな催しや初穂曳きがあったりして賑わいますけど、
観光でこの期間中伊勢に来られる場合は、通行止めの道もあるので気を付けて下さい。
もし伊勢に来て時間が有るなら、ぜひ亀山の方にも足を運んでみて。
亀山の旧館家にて、亀山トリエンナーレのプレ企画で13名のアーチストが作品を展示しています。
僕の知り合いの作家さんも2名、参加しているので見に来て下さい。
期間は11月29日迄の土曜,日曜,祝日。10:00~16:00の開館です。


- 2015/10/13(火) 23:48:51|
- 紫苑(伊勢)
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金井麻央・狛・中梶真武 三人展2015/10/10(土)~18(日)
※15日(木)休廊
13:00〜19:00(最終日は18:00迄)
花影抄が期待する若手作家三人展が始まりました。
漆芸家の金井麻央、木彫刻出身の狛と、ジュエリー出身の中梶真武。
漆芸と彫刻の技術を合わせて制作する金井麻央。
狛は、正当派の木彫作品を制作するかたわら、根付の制作に取り組むようになりました。
中梶真武は、ジュエリーの仕事を手がけつつ、スタイリッシュな造形の根付を模索しています。
それぞれの技術、持ち味・個性の光る作品展となりました。
金井麻央 Mao Kanai
1987年 神奈川県横浜市生まれ
2013年 東京藝術大学工芸科漆芸専攻卒業
2015年 東京藝術大学大学院美術研究科漆芸専攻修了
中梶 真武 Mabu NAKAKAJI
1987年生まれ(神奈川県)
2006年 ヒコみづのジュエリーカレッジに入学し金属加工を学ぶ
2010年 ヒコみづのジュエリーカレッジ研修生修了
狛 KOMA
根付作家としての銘は、狛。
普段は、人見元基として彫刻作品を発表しています。
- 2015/10/11(日) 19:59:09|
- 展覧会
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先月開催しました「守亜展」では、御注文を沢山お承りしておりましたが、お届けが遅れております。
ご心配をおかけしておりますこと、申し訳ございません。
この週末にも届き、来週順次発送作業をしていく予定です。
もう少々お待ちください。よろしくお願いいたします。

- 2015/10/09(金) 20:23:56|
- 守亜(群馬)
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「婦人画報2015/11月号」21頁、高円宮妃久子殿下の連載・旅する根付〜秋の黄色〜にて、
狛の根付「午後の芽生」を掲載して頂きました。

「婦人画報2015/11月号」21頁

婦人画報-webサイト
http://www.hearst.co.jp/brands/fujingaho
- 2015/10/05(月) 18:22:18|
- 狛(東京)
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