根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り「13年10月/紫苑(伊勢)」

伊勢は、遷宮の儀式も終わって多少は静かになるかと思いましたが、
神宮の周りは平日でも相変わらず賑わってます。

前回、「月代さんから帯留の作り方を教わっている」と書きました。
栗やら子やら4点ほど作って見てもらい、ダメ出しともらった栗のサンプルを参考に、
また栗の帯留を彫ってみました。
前回より大きく、厚みは3cmほど薄く、対面する人の視線を考えて少し縦方向を長くしました。
(斜め上から見て綺麗な形になるように)
裁縫用のマネキンに帯を巻いて着けてみると、…まだ厚いのかな?以外にボリュームを感じます。
帯も普通の幅の物でないし、着物も着てない…イメージがしずらい…。
やはり着物を着てモニターをしてくれる人が居てくれれば、と、つくづく思います。

帯留の事を考えてると、それに関連した事が寄ってくるものです。
先日も知り合いのスマホケースに着けてた帯留を見せて貰いました。
お祖母さんの物だったらしいのですが、とてもユニーク。
素材はなんと桃の種!それに竜が彫ってあるのです。(ちなみにその持ち主の名前が龍)
昔の人は頭が柔らかいのか、よく桃の種を使って帯留なんかを作ろうと考えたもんだと感心します。
今まで割れる事なく綺麗に残されていた事を思うと、桃の種の帯留に何か物語りを感じるのです。

マネキンの着けてみた栗の帯留
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知人の桃の種の帯留「龍」
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  1. 2013/10/31(木) 22:02:54|
  2. 紫苑(伊勢)

アートフェアULTRA006 「オクトーバーサイド」終了

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青山スパイラルで開催中のアートフェアULTRA006 、
スタッフ木塚が出展しておりました「オクトーバーサイド」は、無事終了いたしました。
御来場下さいました皆様に作家共々、感謝申し上げます。
フェア自体は、金曜から後半が始まります。是非、お出かけ下さい。

アートフェアULTRA006ー会場となっているスパイラルのwebサイトは、こちら!
  1. 2013/10/30(水) 18:07:05|
  2. アートフェア他(根津以外での展示活動)

アートフェアULTRA006に参加します。

10月26日(土)より青山スパイラルビル1Fのスパイラルガーデンにて
行われるアートフェア「ULTRA006」に参加します。

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会場: スパイラルガーデン [スパイラル1F] ※東京メトロ 表参道駅駅B1出口すぐ
会期: オクトーバーサイド 2013年10月26日(土)~29日(火) 11:00~20:00
会場ブースナンバー : No.11 木塚多賀子(Gallery花影抄)
webサイト-ULTRA006

■参加作家

かわさきみなみ(ミクストメディア)
主に羊毛を使った作品の新作2点を含む計3点。
壁にかけるタイプの小品2点も、とても充実した仕上がりになりました。

泉水(陶)
野生動物をテーマにした陶根付を新作7点。
リアルな描写の中に、それぞれの動物への深い想いが込められています。

金井麻央(漆芸)
河馬の旅の途中をテーマにした箱の新作と
乾漆の技法を使ったペンギンの立体作品の2点の出品です。


それぞれの作家の色々な動物の表現を楽しんでいただきたいです。
ぜひ、青山まで足をお運びください。

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スタッフ木塚のブースナンバー「11」
このフェアは、展示壁面の人気投票もありますので、
お帰りの際には受付の投票用紙に、是非!「11番」とお書き下さい。
よろしくお願い申し上げます。


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(搬入作業の様子)
  1. 2013/10/25(金) 20:41:24|
  2. アートフェア他(根津以外での展示活動)

作家便り「13年10月/森栄二(葉山)」

8月に野中ユリ展を神奈川県立近代美術館で見てきました。
とてもよかった。しみわたるように繊細で透明な世界がひろがっていました。
近代美術館別館という場所が作品のイメージと共鳴し合って
とても密やかな空気を作っていたと思います。

神奈川県立近代美術館、とても良い美術館です。たびたび浸りに行くのです。  ひたひたと。

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今、世田谷の潺画廊というギャラリーで二人展をしています。築70年の美しい日本家屋です。

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今回ご一緒させて頂いている田さんの墨絵と。

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ドローイングも。


●展覧会情報
田 建平 森 栄二 二人展
2013.10.5-10.27
土日のみ開催
13:00-18:00
SEN ART GALLERY
東京都世田谷区深沢6-4-12
03-3703-6255
webサイト
  1. 2013/10/24(木) 16:25:37|
  2. 森栄二(葉山)

作家便り「13年10月/壽堂」

自在置物にみる「生と死」

森美術館で開催中の六本木クロッシング 2013 アウト・オブ・ダウト展を見てきました。
※「六本木クロッシング2013」森美術館で2014年1月13日まで開催中-webサイト
この展示には自在置物作家の満田晴穂氏が参加しており、自在置物好きとしては見ておかなければ、ということで楽しみにしていました。

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満田晴穂 「幽明」

作品は2点展示されており、こちらは「幽明」。ヒガンバナにジャコウアゲハが集っています。
実際に赤い彼岸花にはアゲハチョウが集まりやすいようです。
(参考 http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/05/09/0925.html
金工の技法による着色の黒と赤の色の対比もさることながら、こうした生態をふまえつつ、さらにアゲハチョウが毒を持つジャコウアゲハであることで同じく球根に毒のある彼岸花と共通性を持たせているところなど手が込んでいます。


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明治〜昭和の初めにかけて輸出工芸品として自在置物を多数製作した高瀬好山の作品にも「十二種昆虫」の中に赤銅を着色したクロアゲハ(上の写真)、また銅を同じく伝統の技法で赤く着色して椿の花をリアルに再現した作品もあることから、そうした過去の作品へのオマージュと感じられるところもあります。


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満田晴穂 「円寂」

もう一点は標本壜にガガンボがとまる「円寂」。
死体である標本を入れるための容器と儚げな姿のガガンボの対比。
「幽明」とは対照的に一体の虫だけですが、非常に繊細な脚も当然のことながら可動になっており自在置物としての存在感を示しています。

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こちらでより多くの写真が見られます。
Flickr set: 満田晴穂 「幽明」「円寂」
(本ブログ内の展覧会の写真はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 2.1 日本 ライセンスでライセンスされています)

展示の解説でも触れられていますが、生と死について考えさせるような展示であることが一見してわかります。刀装具などにも見られるような昆虫モチーフはもともと武士の死生観を反映したものであることも意識させられます。

江戸期の自在置物は、平和な時代の到来による甲冑の需要の減少を背景に、大名家などへの贈り物として発達したといわれています。明珍派は鉄打出しの技術で武具、馬具から火箸、花瓶その他まで多岐にわたって製作しており、恐らく自在置物も優雅な手すさびの類ではなく、甲冑師が何とかして生き残っていくためにその技術を注ぎ込んだのではないかと思います。明治に入り武士の時代が終焉を迎えると甲冑師は職を失いますが、自在置物は高瀬好山により輸出工芸品として活路を見出し、その技術は間接的に受け継がれて行きます。第二次大戦により再びその技術は途絶えかけ、ほとんどその存在も忘れられていたところから、今また現代美術として甦ったという変転の歴史も非常に興味深いところです。時代の変化により、工芸品としての立場が変わりつつも継承されていった製作技術自体にも、姿を変えて生まれ変わる昆虫や、環境の変化に適応して生き残る道を探っていく生命のイメージが奇しくも重なります。

高瀬好山の自在置物「鯉」を取り上げたTV番組の中で、冨木宗行氏(好山工房で自在置物を制作してきた冨木家の当主、東京国立博物館所蔵の銀製伊勢海老も氏の手による)が「自在置物は作ったものではあるが、作ったのではなく『生まれる』という感じを感じられなければ面白みがない」と語っていましたが、そのような作り手の意識もまた受け継がれてきたものなのではないかと思います。
江戸時代において、鉄製としては他に類を見ないほどの写実性を獲得した自在置物は、明治期に高瀬好山により輸出工芸品としての道を歩み出したときには、色金を多用し色までも実物に近づけていきました。さらに現代では極限まで写実性が追求されていることも、単なる技巧への傾倒ではなく、そうした意識の表れでもあり、確たる用途を持たず近年まで名称すら無く、工芸史上の位置付けも定かでなかったこの異色の工芸品が、時代の変化による危機を乗り越えることを可能にした要因だと感じます。

前述の冨木宗行氏にお会いする機会があり、そのとき伺った話によると高瀬好山も初期は苦しい時代があったそうです。自在置物を工房で量産し成功を収めた好山ですが、やはりそれなりの苦労があったことが偲ばれます。近年神坂雪佳図案、高瀬好山制作の作品「花車」が京都国立近代美術館の所蔵になり公開もされましたが、漆芸、陶芸、染織家らも制作に参加したこの作品は、宗行氏によると宮内庁に納められたさらに大きな作品の縮小版であるとのことで、当時の京都の工芸界での好山の影響力を感じさせます。またローマ法王に献上された自在置物の作品もあったそうで、おそらく1942年にバチカンと国交樹立したときに贈られたものと思われます。すでに好山は没しており戦時中でもありましたが、まだ献上品にするような作品を作る余力があったことや、このような形で自在置物が歴史に関わっていたのも興味深いことです。

高瀬好山の工房による制作の他にも、明治26年のシカゴ万国博覧会には板尾新次郎が自在置物を出品しており、自在置物を鍛金科に取り入れようとしていた岡倉天心は、東京美術学校の教師として彼を招こうとしました。残念ながらそれは実現しませんでしたが、岡倉天心もまた継承されるべき技術として自在置物を見ていたことは注目すべきでしょう。

ともすれば動く面白さ、リアルさだけに目が行きがちな自在置物の、その特性を生と死を感じさせるものとして捉え、さらにモチーフにした生物の実際の生態や、人間との関わりの中で生まれたイメージをも含ませることにより重層的に多様な意味を込めた表現ができるということを、これまで以上に強く感じる展示でした。自在置物という工芸の辿った歴史を知ることで、その表現にさらに深みを感じることができると思います。海外に流出した作品が多く、国内で目にする機会が増えたのはごく最近のことなので、その歴史にまで思い至る人はまだ少数かもしれませんが、現代に新たな形で示された自在置物をそうした視点からも見る人が増えていくことを願っています。今回の六本木クロッシング展のテーマは非常に多くの要素を含んでいますが、そのテーマと重なる部分をより感じとることにも繋がると思います。


  1. 2013/10/21(月) 22:02:32|
  2. 壽堂(東京)

「やっぱり猫デアル。」月刊美術2013.11月号(泉水・罠兎・吉見普光)

月刊美術2013.11月号の特集は「やっぱり猫デアル。〜古今猫図100選〜」

谷中にある朝倉彫塑館のリニューアルにともなって(?)猫の大特集。
朝倉彫塑館には、猫の彫刻だけの展示室があるとのこと。
※朝倉彫塑館-webサイト
月刊美術-webサイト

たくさんの作家の猫の題材の作品が紹介されていて、
泉水の猫の陶根付も紹介していただいています。
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同じく泉水、罠兎、吉見普光の猫の根付の誌上販売企画もあります。
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  1. 2013/10/20(日) 12:01:01|
  2. 掲載メディア

月刊美術2013.11月号「村松親月・正倉院宝物復元撥鏤」掲載

「月刊美術」2013年11月号にて、村松親月の正倉院宝物の撥鏤復元の仕事が紹介されました。
(奈良国立博物館の「正倉院展」開催にあわせたタイミングでの掲載です)

撥鏤(ばちる)という正倉院の宝物の歴史的な紹介からその魅力、
象牙彫刻家・村松親月の手による復元へのエピソードや技法についてまで、丁寧に取材していただきました。
さらに、撥鏤技法による帯留や根付などの工芸品の誌上販売の企画もあります。
書店にて、お手にとって頂ければ幸いです。

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「月刊美術」サンアート−webサイト
  1. 2013/10/19(土) 22:50:07|
  2. 村松親月(群馬)

エマージング・ディレクターズ・アートフェア ULTRA006 ご案内

来週、10月26日(土)より青山スパイラルビル1Fのスパイラルガーデンにて
行われるアートフェア「ULTRA006」に参加します。

ウルトラDMOL

会場: スパイラルガーデン [スパイラル1F] ※東京メトロ 表参道駅駅B1出口すぐ
会期: オクトーバーサイド 2013年10月26日(土)~29日(火) 11:00~20:00
会場ブースナンバー : No,11 木塚多賀子(Gallery花影抄)

■参加作家
かわさきみなみ(ミクストメディア)
泉水(陶)
金井麻央(漆)

かわさきみなみさんは、主に羊毛を使った作品の新作2点を含む計3点の展示になります。
春の個展よりももっと目力の強くなている白い犬に会いに来て下さい。また、陶の泉水さんは
陶根付を7点展示します。最近制作している江戸ものではなく、野生の動物をテーマに意外な
組み合わせの動物達や絶滅した動物…色々な動物の形を表現した陶根付が並びます。
また、今回初めてご紹介する金井麻央さんは現在東京藝術大学の大学院にて漆を学ばれている
作家さんです。乾漆の技法を使ったペンギンの立体作品と河馬の旅の途中をテーマにした箱の
作品2点を展示いたします。

それぞれの作家の色々な動物の表現を楽しんでいただきたいです。ぜひ、青山まで足をお運び
ください。


  1. 2013/10/18(金) 14:47:30|
  2. アートフェア他(根津以外での展示活動)

「正倉院宝物復元撥鏤展」村松親月 最終日(10/14)

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村松親月の正倉院宝物復元撥鏤展
2013年10月8日(火)〜14日(月)
本日、最終日を迎えました。

会期中は、愛好家の方々から作り手の方々まで、
広く深くご興味をもって御覧頂きまして、作家共々深く感謝申し上げます。
技法の資料も展示しておりましたが、「撥鏤」というこの技法が、
これからの作り手によって作品に活かされ残ってほしいと願っております。

Gallery 花影抄
  1. 2013/10/14(月) 13:49:20|
  2. 村松親月(群馬)

作家便り「13年10月/齋藤美洲(埼玉) 」

思いの外、暑さも早く和らぎ、下弦の月に何故か侘しさを感じる。
自分一人の秋ではないのに。只今、彼岸花の紅、妖艶なり。

私は作り手故に、感激した印象を脳内スクリーンに映像として記録し、それが血肉になって
作品に投影される。職人的美学として人に説明(プレゼン)する事は無く価値は人に委ねていた。
印象を文章化するのは、なかなか難しい。

私は根付を説明するのに、よく幾何の問題を出し、定理を知れば出来ると教える。
しかし、定理を証明して、理解していなければ、問題を解くのは難しい事を発見した。
根付の基本も同様と思われる。

根付は何故現代でも作り続けられているのでしょうか。

「月刊美術」四月号での私へのインタビューで仕事場にいらした時、本江先生の感想は
ガラス越しで見た根付には、それ程の感激は持たなかったが、手に取って
見ている内に作品に引き込まれ、時を忘れ、私の仕事場にいる事すら忘れると有る。
これが根付の本質かと思われる。

大きな彫刻は、絵画よりも足を留めるのは少ない。まして背面まで囲って
見る人は、プロだろう。その点、根付は全方位から観賞される。それは根付の
ステージは空間(腰)であるからこそで、全方位が正面として、面白さを持つ。
名品は特にそれが完璧で、外国人写真家は日本人から見ると背面と思われるアングル
で作品を見せる。

根付は興味を持って掌中で見ている内、全体から細部に至る過程で感情移入
された作品となる。感情移入とは、ドイツ心理学者リップスの唱えたもので、
芸術の本質を対象(作品)の内に、見る人の感情を投射して同化させる、とある。
これは良い作品だと思うのは、思う人の心の反映だと言う事だ。ビール瓶を見た時、
酒好き、デザイナー、製造者、技師、商人等、見る人の感情は違ってくる。
その多くが良いビール瓶だと認めた時、価値が決まる。雲を見て、ある形を発見し
別の人も同じく見える事を共有した時、その雲は作品となるのと同じだ。

観賞される時が長いのは、根付の大きさにある。掌中で観賞されるからこそ
全方位彫刻が光るのでは。小さいと云って芸術的価値は変わらない。
こう考えると解りやすいだろう。

空間それ自体は無であり実感すら出来ない。三次元の造形物を置く事で把握出来ると
以前書いたが、作品を夢中で観賞して居ると、周りが空間となり、作品の大小は感じ
られなくなる。

10歳の少年が根付展覧会場に長い間を過ごした。出てきた時の感想で
ボク、自分の大きさを、忘れちゃったョ…と云われた事があった。

真の根付は「小さくて大きいもの」だと思う。

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  1. 2013/10/06(日) 18:17:15|
  2. 齋藤美洲(埼玉)

月刊美術/2013年10月号(No.457)秋の注目展

発売中の「月刊美術/2013年10月号(No.457)」に、
村松親月の正倉院の撥鏤技法の復元展について御紹介して頂いています。
書店などで是非、お手にとってみて下さい。宜しくお願い申し上げます。

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「月刊美術」-webサイト

正倉院宝物復元撥鏤展 村松親月
2013年10月8日(火)~14日(月)
会期中無休
13:00~19:00(最終日は18:00まで)
作家在廊日/8日(火)・12日(土)・14日(月)

Gallery花影抄(詳細は、webサイトで御覧下さい
  1. 2013/10/03(木) 17:45:37|
  2. 村松親月(群馬)