来月個展を控えている森栄二さんからの葉山便りが届きました。
●森栄二展 「遠くで飛行機の音がする」 2012.5.19~27 Gallery花影抄
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春は物凄いスピードでやって来て、今まさに過ぎ去って行こうとしています。
ゴウゴウと大きな音を立てて。
赤く膨らみかけた枝で覆われた山の表面には、花と新芽からなる柔らかな色の
雲が漂い、日々様子を変化させています。細かな花びらの舞い飛ぶその中に
あって僕の動きは緩慢でまるで静止しているようです。
自分という薄い膜で仕切られた外側と内側の時間の流れの違いを、目の前に
どんと叩き付けられているようで、体がキュッと一回り小さくなっているのがわかります。
笛の保育園のそばには水田があって、雨模様の天気の時は蛙の声が山に
響き始めています。アマガエルとはちがうコロコロ、コロコロと透き通ったきれいな
鳴き声は、シュレーゲルアオガエルというのだそうです。一度実物を見なくては。
緑のコートを羽織り、大きな蛙の顔が描かれた小さな傘をさして、雨の日に長靴で
嬉しそうに走りまわる笛の姿も、僕は小さくなって見ているのではないだろうか。
2012.4月(笛は2才になる息子です)

- 2012/04/30(月) 18:22:02|
- 森栄二(葉山)
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Gallery花影抄にて開催しておりました「永島信也展 -懐中神-」、
京都で開催されました「ART KYOTO 2012」、
どちらも無事に終了致しました。
会場に足を運んで下さいました方々、応援してくださいました方々、
御世話になりました関係者の皆様に、一同感謝申し上げます。
大変ありがとうございました。
今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。
- 2012/04/30(月) 11:04:32|
- 永島信也(神奈川)
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ART KYOTO 2012 マリア書房ブースに、荒井良・伊多呂・永島信也 が出品します。
ART KYOTO 2012
2012/4/27(金)11:00~19:00
28(土)11:00~20:00
29(日)11:00~19:00
会場/ホテルモントレ京都 Room No.507 マリア書房ブース内
入場料1500円(共通チケット三日間有効)
※「ART KYOTO 2012」
webサイト※花影抄のスタッフは、初日27日は、会場にいる予定です。

荒井良「赤口」素材/紙(張り子)、胡粉、彩色 H26×W35×D7.5cm

伊多呂「ボクのアトムが壊れた」黄楊 6.2 × 5.8 × H7.0 cm

永島信也「狭間の竜人」黄楊、岩絵具 H16.0cm
- 2012/04/26(木) 10:08:50|
- アートフェア他(根津以外での展示活動)
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4月も半分過ぎて、桜も花びらを舞わせて散りました。
伊勢の横輪町は、横輪桜という独特の品種が咲く所で、その横輪町に
季節限定の「木間々な美術館」という所があり、「KOICHIと仲間たち「展」」を
見て来ました。KOICHIさんは名古屋在住の作家さんらしいんですが、この方
独自の技法で描く線画は緻密で繊細です。原画の価格を見て、目が飛び出る
ほどの金額には驚きました~(--;)
僕は他に展示していた大蔵和華子さんという作家の原画の小品を買いました…
それでも部屋に置く場所がなくて…もっと飾れる場所があったらいいですけどね。
(T-T)
最近は依頼の「ヘチマ」作りましたが、ヘチマも瓢箪も育ててる家、今はあまり
無いですよね。僕の小さい時に育てた覚えはあるんですが、沖縄みたいに食べ
ないですから…瓢箪も幼果なら食べられるらしいですけど、どんな味だろ?夕顔
の変種だから干瓢みたい?な味かな。ちょっと興味あります。
伊勢はそろそろ田植えの季節です。
画像は木間々な美術館と作ったヘチマ。


- 2012/04/25(水) 16:21:18|
- 紫苑(伊勢)
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「月刊美術」5月号 にて
齋藤美洲さんが、東博の根付コレクションを紹介しています。
今月の「月刊美術」は、特集:アートで巡る上野遊山!!『美術家と行くアートな上野』のコーナーで、
東博番外編『根付の歴史と真髄、ここにあり』として、
齋藤美洲さんが、郷コレクションを含めた東京国立博物館の根付コレクションを紹介しています。

上野・谷中近辺のギャラリーやお店紹介のページでは、私どもの店も御紹介いただきました。

さらに、
「自在置物」作家の満田晴穂さんが、大名時計博物館を紹介したりしています。


そのほか、
国際子ども図書館:鴻池朋子
竹久夢二美術館:ミヤケマイ
上野・谷中~湯島ギャラリーマップなど、盛り沢山の内容です。
全国の書店で発売中!是非、お手にとってみて下さい。
※「月刊美術」-
webサイト
- 2012/04/24(火) 19:57:10|
- 掲載メディア
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ART KYOTO 2012 マリア書房ブースに、荒井良・伊多呂・永島信也 が出品します。
ART KYOTO 2012
2012/4/27(金)11:00~19:00
28(土)11:00~20:00
29(日)11:00~19:00
会場/ホテルモントレ京都 Room No.507 マリア書房ブース内
入場料1500円(共通チケット三日間有効)
※「ART KYOTO 2012」
webサイト※花影抄のスタッフは、初日27日は、会場にいる予定です。


- 2012/04/20(金) 12:23:49|
- アートフェア他(根津以外での展示活動)
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「北斎工芸図案帖-今様櫛きん雛形-」という本を買いました。
北斎が描いた櫛ときせるの図案が載っています。
以前から、この本欲しいなぁと思っていたんですけれど本の中身が分からずに
買うのは心配で手元に届いてほんのちょっぴりしか図案が載っていなかったら・・・
と躊躇しておりましたが、思い切って買ってみたところとても格好の良い本でした。
当時の職人さんも図案に困った時に、こういう物も見ていたりしたのかな?
と思うと、身につまされるような、微笑ましいような気が致します。
葛飾北斎が描かれている「百日紅」という漫画が好きです。
北斎の画室の場面に描かれている「真向き兎」の文様が入った火鉢や
ほかにも、根付の題材に良さそ、と思うような河獺の妖怪のお話があって
いつか、そんな根付も作ってみたいなと思っています。
- 2012/04/17(火) 19:44:39|
- かぶ(東京)
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永島信也展 -懐中神-2012.4.21(土)- 29(日)
13:00-19:00
最終日-18:00
4.26(木)休廊
Gallery花影抄
ブログ御無沙汰しております。永島です。
展覧会ももう迫ってまいりまして、なんとなくそわそわしています。
作品もほぼ出来上がっていて、あとは展示方法などを考えたりする段階になってきました。
今回の展覧会タイトルは「懐中神」ですが、これは懐中仏をもじったものです。
懐中仏とはその名のとおり、仏像をお守りをとして携帯できるようにしたものです。
僕の場合、その仏の部分は神だなと考えたのでこのタイトルになりました。
僕は昔からお守りが好きでしたが、僕にとっての装身具とは飾るというよりもお守りとしての側面が大きいように実感しています。そのあたりも踏まえて、今回の全体の構成となっています。
僕の最近の作品の傾向としては根付としてのほかに装身具としての機能も兼ねるような形になっているものが多いです。
根付としてのベースは持ちつつもその人にあった使い方をしていただくのも現代ならではないかなと考えてのことです。
展覧会期中はずっとギャラリーにいる予定です。
それぞれの作品についてや全体に関しての細かい話などはぜひギャラリーにて。
お待ちしております!
- 2012/04/14(土) 01:54:52|
- 永島信也(神奈川)
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皆様お久しぶりです。
高山の野垣内でございます。高山に引越して早2年、家の改修はまだ続いております。
さて、ここ飛騨は昔から木の国といわれています。
そこで飛騨の巨木巡りと題して巨木を紹介してまいります。
■第1回は「宮の大イチイ」高山市一之宮町(旧:大野郡宮村)にあるイチイの木です。
イチイの木は根付材としてご存知の方も多いと思いますがその特徴は、成長が遅い為に木目が細かく美しく、年月と共に重厚な色に変化することです。
写真からはわかりにくいのですが、このイチイは「森の巨人たち100選」に選ばれている推定樹齢2000年の木です。
幹内部は腐り空洞になり、そこに他の樹木が生長し大木になっていました。

※野垣内さんは、飛騨に引っ越しをして、家を改修しながら、木彫の仕事を続けています。
- 2012/04/11(水) 18:00:03|
- 野垣内秀也(飛騨)
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2012年のケンタロー展
Kengtaro glass works [Growing!]
おかげさまで、無事に終了致しました。
今年は、オブジェの新しいシリーズのスタートに集中した展覧会となりました。
今回の作品群を起点とした、今後の作品展開が楽しみです。
最終日のミーティングでは、根付作品のこれからの計画も話し合って終わりました。
個展では、根付の新しい展開がなかっただけに、これから根付新シリーズも期待したいところです。
本展覧会に、御来場下さいました皆様、また応援して下さいました皆様に、
作家共々感謝申し上げております。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
有難うございました。
- 2012/04/10(火) 23:20:47|
- ケンタロー(静岡)
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Kengtaro glass works [Growing!]2012.3.31 (土)~4.8 (日)明日、日曜日まで開催しております。
最終日は、ふたたびケンタローさんも在廊しますので、
是非、おでかけ下さいませ。
何卒宜しくお願い申し上げます。


「Growing! 2」


「Growing! 4」



「Spider on leaf」

「Takotsubo」

「Rainy season」

「Gecko on mushroom」

「Relation」
- 2012/04/07(土) 14:53:57|
- ケンタロー(静岡)
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至水で御座います。私の住まう函館は北海道とはいえ南端に位置し
ここ数年積雪は少なかったのですが、やはり今年は違います・・・
近所の公園に隣接する野球場が「雪捨て場」になっておりまして
ダンプカーが引っ切り無しに除雪した雪を運び込み、重機を使い山と積み上げ
球場フェンスの倍の高さに達する雪の要塞を築いています。
もう四月になるというのに溶ける気配もありません。
春よ来い・・・早く・・・灯油代が痛いから・・・
では今回のお題 『 私のネタ本 』
私、今のところ根付の題材に困る事がありません。
彫りたい題材が沢山ありすぎて手が回らない程なのです。
そのネタ元がこちらの二冊の書籍でして
・竹原春泉斎 の「桃山人夜話」
・鳥山石燕 の「画図百鬼夜行」
いずれも角川ソフィア文庫でお安く入手可能な為バリバリ使い倒せます。
魅力的な異形の輩が大量に描かれており、まさにネタの宝庫。
しかも超写実的な画柄ではないので「俺解釈」を差し込める余白がいっぱい!
イマジネーションが刺激され妄想が暴走する意匠を導き出します。
最早私にとって手放せないネタ本になっております。
彫りたい題材先行の場合、素材の制約が苦になる事もしばしば。
出来る事なら素材の特色を活かした意匠が描ければ最高なのですが・・・
日々是精進也で御座います。
春泉斎サイコー!石燕マジリスペクツ!
- 2012/04/05(木) 22:16:59|
- 至水(北海道)
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今回は金工の打出しの技法についてです。
刀装具の目貫や煙草入れの前金具などは打出しという技法で作られています。
銅や銀などの板をヤニに貼り、鏨(たがね)で打ち出して形を作っていく技法です。
ヤニは松脂、地の粉(赤土の一種)、菜種油、松煙を混ぜて作ります。
鏨は作っているものの形に合わせて作っていくので、どんどん増えていきます。
幕末明治の超絶技法の数々もこの技法で作られているものがあります。
金属をあれだけ自由自在に扱えたらそりゃあ作るのも楽しいだろうなぁと
憧れています。が、実際やってみるとなかなかどうして、思うようにはいか
ないものです。
まぁ、その思うようにいかないところも面白いところなのですが。
今は銅で筍を作っていますが、仕事の合間に少しずつなので、中々出来上がりません。
竹かんむりに旬と書いて筍。私の筍は旬には間に合わないようです(笑)。


- 2012/04/04(水) 18:31:40|
- 罠兎(東京)
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春の毒
この匂いはなんだろうか?苦い匂い。
春になるとどこかから漂って来る微かな匂い。
このところ急にこの匂いがし始めました。
今の家に住むようになって春になるといつもこの匂いが気になりだします。
沈丁花ではないし、最初は害虫退治の薬を何処かで撒いてるのかとも思
いましたがどうも違うようです。なぜならこれは、この辺りのいろいろな場所
で、決まって山の方から、鬱蒼とした森の中から漂ってくるように感じられる
からです。
山に隣接した家から一歩外に出て、けっして甘いというのではない、野草の
灰汁の様な、なんとも言い表し様のない曲がった感じのこの匂いが、そう強
くと言う程ではないにしろ僕にとっては確かに気になる存在なのです。歩いて
いると強くなったり弱くなったり(森から離れると薄くなるように思える) 他の
いい匂いなどに紛れて忘れていると、急にむっと鼻を突いてきたり。
元来匂いには敏感なほうで、新しいものや興味深い物に出会うとついつい鼻
を近付けて匂ってしまうというような、匂いと物との関係がなんとなく気になる
質なので、始めの頃は匂いの元もそのうち嗅ぎ分けられるさと、簡単に考えて
いたのです。
しかし今のところはだめです。予想に反して突き止めることが出来ていません。
(突き止める努力もさほどしていませんが…)又、共感する人と話をしたことも
ありません。
思うに多分これは花の匂いだろうと勝手に思います。それも緑色の。
目立つ色の花なら匂いの犯人だとすぐ見当が付きますから。
ひっそりと森の中に立つ当たり前のなんてことない大きな木に無数にぶら下が
った花ともわからない緑色の花。その中心から発せられる、何かを誘き寄せる
ような怪しい匂いなのではないかしらと想像しています。さもなければ色々の木
や草が芽吹く時の匂いが固まるとこんな風になるのでしょうか。
多分知っている人ならなんて事ないものなのでしょう。
なんだそういうことか、まぁそういうことだね、と。でも僕にとってはこの匂いの原因
であればどんなにつまらないものでもそれなりに興味深いものであることは間違い
ないと思うのです。
そんな匂いする?と言われればそれまでですが。
2012年3月 森栄二

- 2012/04/01(日) 15:39:26|
- 森栄二(葉山)
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