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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り「12年2月/森栄二(葉山)」

雪が降っています。
この辺りでは珍しいとても細かな雪がちらちらと気が付かない程度にではありますが。

午前10時頃そのひんやりとした空気のなか、犬の散歩に出かけました。
冬枯れした木々に覆われた山を見ながら。

空は透明感のある鼠色に曇っていてわずかに白い点が舞っています。
その下に葉を落とした木の枝が、うずくまった山の産毛ようにチクチクと見え、
そこからは黒ずんだ緑が時々ひっそりとまじりながら、
細かな色の点を合わせて、わずかに紫がかった山の色になっています。
この三浦半島の付け根の辺りは、小さな山と谷戸ばかりなので、
そんな紫がかった不思議な紫が僕を取り囲んでいるのです。

犬はそんな景色など全く気にする素振りも見せず、
辺の匂いを嗅いだりおしっこをしたりして先へ先へと進みますが、
僕はあらぬ方ばかりを見て歩いているので、
よく犬を蹴っ飛ばしたり踏んずけたりして、なにかと彼を怒らせています。

この季節外を歩く時、僕は良くこう思うのです。

掠れたような冬の山の姿は、夏の深い緑に覆われたそれより
はるかに繊細で柔らかな美しさがあるのではないかな。

空は晴れてるより曇りのほうが良いし、どんよりしているとか霧雨が降っているとか、
今日のように雪が舞っているのもとてもファンタステックで良いものだな。

曖昧な空の鼠色と、山の渋くて複雑な紫の組み合わせは、
単純で奥行きのあるとても素敵な組み合わせであるなと。

2012年2月 森栄二

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  1. 2012/02/28(火) 17:55:50|
  2. 森栄二(葉山)

荒井良「美術の窓3月号」に掲載されています

雑誌「美術の窓3月号 ~耽美な世界へようこそ~」
荒井良と京極夏彦の対談「日本的耽美とは何か?」が6頁にわたって掲載されています。
「美術の窓」-webサイト

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  1. 2012/02/27(月) 18:48:43|
  2. 作家

森謙次作品が雑誌「宝石の四季」にて紹介されました

発売中の雑誌「宝石の四季 217号」にて、
森謙次さんの作品「要石」が紹介されています。

「要石」は、昨年の展覧会「三人文殊」に出品された彫刻作品ですが、
仙台在住の御客様からの依頼制作のものでした。

御依頼をうけてから、完成に至るまでの御客様とのメールのやりとりなど、
リアルな制作の過程が、御客様の同意も得て、編集された状態で紹介されています。

「宝石の四季」-webサイト


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  1. 2012/02/27(月) 16:14:48|
  2. 森謙次(高知)

森謙次展 新宿眼科画廊にて開催中。

「punpunpurin」森謙次根付彫刻展 プリンが攻めて来た~!

高知の沢田マンションの作家仲間たちとの合同企画展覧会です。
いくつかの部屋で、それぞれの作家さんたちが個展形式で展示をしています。
森謙次さんは、一番小さなスペースでのミニ個展。(5作品の展示)

新宿眼科画廊 (スペース:e)
2012/2/24(金)~29(水)
新宿眼科画廊ーwebサイト

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  1. 2012/02/27(月) 13:27:15|
  2. 森謙次(高知)

作家便り「12年2月/かぶ(東京)」

炭の根付を作りまして、「猪炭(いのずみ)」と名付けました。
炭の中にはいのししが三匹います。頭と後ろ姿を見せているのは雌の
いのししで姿は見せず立派な牙を覗かせているのは雄のいのししです。

いのししは昔から火伏せの神様と云われていて寺社などの破風には
いのししの目を図案化した「猪目懸魚」という飾りが付いたりしています。
 
今回はお客さまがお持ちの茶筅、茶碗などお茶事の様子が描かれた
緒締めと袋物に合わせた根付なのですがお茶事の開炉の日には、
亥の子餅という菓子が出されるそうなので炭といのししを取り合わせた
根付にしました。

炭点前での炭は菊割れの形も真っ直ぐなものを使うらしいのですが
「猪炭」ではうねうねした節やひび割れを付け、なるべく表情のある炭
を目指してみました。

いのずみ

 

  1. 2012/02/25(土) 16:07:00|
  2. かぶ(東京)

伊多呂展2012「ボクのアトムが壊れた」はじまりました。

ボクのアトムが壊れた
伊多呂展 2012.2.18-311

会期中の休廊日は、水・木 です。

アートフェア「ULTRA004」にも出品していた2点のほか、
ICNギャラリーにて展示をしていた2点の彫刻作品、
平面作品4点、
新作の彫刻とオブジェ3点、
11点の作品を展示しています。
週末は、作家も在廊しておりますので、是非、おでかけ下さい。

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「ボクのアトムが壊れた」

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「撥条仕掛け」

  1. 2012/02/19(日) 10:15:07|
  2. 作家

作家便り「12年2月/永島信也・閑溟(千葉)」

お久しぶりです。永島です。
ブログは年末ぶりとなってしまいました。
年末年始の実家での展覧会にはたくさんの方々に来ていただきました。
遅くなってしまいましたが、この場でも改めて御礼申し上げます。

ここのところは体が全体的に弱っているようで、
整体でも「内臓が疲れてるね」なんて言われたりしたのですが、
なんだかんだで大崩れすることなくやっております。
寒さに負けて暖房をよくつけていたせいか電気代も高く、
早く暖かくならないかなと思う日々です。

今年は始まってからあれよあれよと時間が過ぎていっている気がします。
最近はご注文品を作りながら、個展の作品も作る毎日です。
個展は4月終わり頃を予定しています。
今年に入ってからもお客様とお話しする機会が多く、いろいろな刺激となっております。
一人で考えていては出てこないアイデアがざくざくと出てくるので、僕にとっては大切な時間です。
ギャラリーでお会いした際はぜひお話していただけると喜びます。

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永島信也展 2012/4/21~4/29 開催予定!!です。
  1. 2012/02/15(水) 20:42:24|
  2. 永島信也(神奈川)

作家便り「12年2月/万征(東京)」

万征です。

先日、銀座ナイフショーというカスタムナイフがメインの展示会にて
新作根付を展示出品させていただきました。

同じく出品したナイフ作家の友人に
「ナイフじゃなくても出展OKだから出さない?」と誘われたのがきっかけですが、
一から一人の職人が作り上げる”カスタムナイフ”というものに
”道具として”だけではなく、美術的観点や同じモノづくりの観点からも楽しめたし勉強にもなりました。

カスタムナイフがメインの会において少し不安はありましたが、
根付への受けや評判は思っていた以上に良かったです。
形は違えど、同じモノづくりの世界に共通したものがあるからこそ、
カスタムナイフを見に来た人にも根付に興味を持っていただけたと思います。

技術も大切ですが、作品への思いも大切ですね!
あらためてそう感じた1日でした。

※銀座ナイフショー webサイト

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  1. 2012/02/12(日) 09:00:30|
  2. 万征(東京)

作家便り「12年2月/至水(北海道)」

このたび、「根津の根付屋」でお取り扱いをさせて頂くことになりました、
「至水」さんの自己紹介です。
今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。


●お初にお目にかかります、至水と申します。


2010年10月、厄年にも関わらず前職を離職し
根付制作を始めて早一年四ヶ月が経ち・・・
沢山の縁が繋がり繋がり『根津の根付屋』まで辿りつかせて頂きました。
どこの馬の骨とも判らぬ駆け出し者に
お声をかけて頂いたGallery花影抄様に感謝です。

今まで以上に「カッチョエェ根付」を生み落とせる様精進して参ります。
今後とも宜しくお願い致します。

根付を彫るのは楽しいぃぃぃぃっ!!



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解像度 512 x 384 のDSで元絵を描く・・・お手軽!!
  1. 2012/02/10(金) 18:10:23|
  2. 至水(北海道)

作家便り「12年2月/山鹿(東京)」

このたび、「根津の根付屋」でお取り扱いをさせて頂くことになりました、
「山鹿」さんの自己紹介です。
今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。

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「猫に鈴を」銘:山鹿 


はじめまして、山鹿寿信(やまがひさのぶ)と申します。


もともと、篆刻を勉強していました。

印章には鈕(チュウ)というツマミの部分があり、
紐を通す輪であったものから発展して、獅子や虎、亀などが彫られています。
篆刻家の中にはこのような印材まで自分で作る方もいらして、
作品の一部として興味を持ち、自分でも彫ってみたいと思っていました。

2008年に花影抄で齋藤美洲先生の個展を拝見して、
一気に根付の魅力に惹きこまれました。
以来先生のご指導を受けて根付制作の勉強をしています。

深川という下町に生まれ育ったので、
幸い周りにはまだ和装や祭装束という形で根付・提げ物の文化が生き続けています。
生活の中で人様に使っていただけるような作品を作りたいと思っています。

宜しくお願いいたします。
  1. 2012/02/09(木) 21:44:22|
  2. 山鹿(東京)

作家便り「12年2月/中梶真武(神奈川)」

中梶です。
早いもので年が明けてもうひと月が過ぎてしまいましたね。
御挨拶遅くなりましたが本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて今回は僕が瞳の象嵌などに使っている石を紹介しようかなと思います。
とりあえず二種類ほど。

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青いさざれ状の石がアパタイト、透明感のある綺麗な青です。
緑色がアベンチュリン、こちらは石の状態にもよりますが研磨すると薄い緑の中に濃い緑の斑紋が出たりします。

どちらも石としての硬度があまり高くないのでそれ自体を彫って根付などにするには少し心配な素材ですが、小さく象嵌などに使うには光の入り方などで印象も変わるので好んで使っています。
鼈甲などと違いかなり小さなパーツを作っても色が薄くなりにくいというところも石を使うメリットかなとも思います。
また違う種類の石も時々紹介してみようかと思いますのでよろしくお願いします!
  1. 2012/02/02(木) 10:58:35|
  2. 中梶真武(神奈川)