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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

加賀美光訓 第九回ザ・ゴールデン根付アワーズ優秀賞受賞の御報告

《 第九回ザ・ゴールデン根付アワーズ受賞の御報告 》

みなさまご無沙汰しております。山梨の加賀美です。
私の住んでいる富士山麓でも紅葉が進み、秋を感じる今日この頃です。

そんな中、京都清宗根付館主催の、第九回ゴールデン根付アワードにおいて、
三種の神器“良き時代”で、優秀賞を受賞出来た事をご報告させて頂きます。

授賞式では、高円宮妃久子殿下はじめ、多くの御来賓をお招きしての式で、
この賞の重みを実感することができました。

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受賞作品は、昭和三十年代、三種の神器をテーマに、
三輪ミゼットへ、冷蔵庫・テレビ・洗濯機に子供達を乗せた場面で、
戦後の動乱から数十年、慎ましくも生き生きと暮らし、
三種の神器を求め一生懸命働き、活気ある営みが溢れていた街並みを、
夢と幸せを運ぶ電気屋さんで表現してみました。
今回は、制作途中で大きなアクシデントがあり、心が折れ途中棄権しそうでしたが
昨年末の納期にようやく間に合った、曰く付きの作品でした。
結果、努力の甲斐あり、幸運にも受賞できたことに、驚きと共に有りがたさを感じています。

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「三種の神器 良き時代」 京都清宗根付館 第9回ゴールデン根付アワード・優秀賞受賞作品

また、京都・奈良観光を含め、京都の大学出身の友達が同行したのですが、
友達は数日別行動で、この機会を利用し、
遠くは鹿児島から駆けつけてくれた旧友らと数名、四十数年ぶりの再会を果たし、
現在は無き下宿跡や、当時部活で汗を流した、今も残る体育館へ行き、中まで見させて頂いたりと、
過ぎ去った青春の良き時代を思い出し、懐かしく語りあったそうです。
年齢も皆さん七十代、健康面の不安など、この先どうなるか分からない身なので、
再会が果たせたきっかけを作ってくれたことに感謝してくれていたようで、
こちらも、ある意味嬉しかったです。

思えば、一連の出来事は、今回の受賞がなければ、まったく無かったことで、
受賞はもちろん、再会のお手伝いができたことは、
きっと、三輪ミゼットが三種の神器と共に、一緒に運んで来てくれたのだと思います。


最後になりますが、ブログを通し、今回の受賞は、
花影抄の橋本さんや、スタッフの方々のお蔭だと心より感謝しております。
また、みなさまに、この様なご報告が出来るよう、
これからも頑張って作品作りに精進して参りたいと思います。
ありがとうございました。

加賀美光訓

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京都清宗根付館 webサイト https://www.netsukekan.jp
2022年11月「秋の名品」展にて、アワードの受賞作品とエントリー作品を展示中です。

第9回ゴールデン根付アワーズ

【グランプリ】 及川空観さん、栗田元正さん

【優秀賞】 加賀美光訓さん、田神十志さん

【理事長賞】 佐々木明美さん

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加賀美光訓 「三種の神器 良き時代」 2021年制作 は、「根津の根付屋」にて公開しております
作者本人による作品解説も読み応えがあります!ぜひ覗いてくださいませ。
→  作品ページはこちら!

【ギャラリーより】
加賀美さんは、ちょっと体調を崩されたりとか、いろいろ大変なこともあって、今回の受賞でご苦労が報われたように感じました。
関係者の皆様に心より御礼を申し上げます。
有難う御座いました。

帰りの京都駅で、お酒の飲めない加賀美さんとクリームソーダで乾杯をしました!
あらためまして、加賀美さん、おめでとうございます!

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  1. 2022/11/12(土) 20:31:28|
  2. 加賀美光訓(山梨)

未来の付喪神たち出品作品ご紹介▶ 加賀美光訓

未来の付喪神たち -根付作家それぞれのカタチ-
2021年7月17日[土]〜25日[日]
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加賀美光訓出品作品のご紹介です。

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作品名:スーパー九十九屋 つくも大根とレジ袋そして洗濯バサミ 
鹿角 象嵌:白蝶貝、黒水牛角 4.3×2.9×2.6cm 



▼作家のことば
『おいらをここから逃がしてくれ!』折角買われたのに、戸惑う
“仲間のレジ袋”に向かって、そんな声が聞こえてきそうな“つくも大根”
これから夕餉の“ふろふき”にされるのが余程怖いのか?手荒な懇願…

後ろ手には、親友の“値札吊りの洗濯バサミ”が、ご自慢の噛みつきで応戦するも、
『つくも大根! もうダメ 限界 疲れたっ そろそろ諦めて、
スパっと“打つ首”…じゃない 輪切りにされて、美味しい“ふろふき大根”になって往生してくれ!

俺、またスーパーに帰って、今度は“つくも人参”の値札吊りするわっ』なんて事に。。。
そんな変わり身の早さ、スーパー九十九屋の世界も厳しいです。

  1. 2021/07/17(土) 19:53:36|
  2. 加賀美光訓(山梨)

日本経済新聞 11月30日 加賀美光訓さんの作品も掲載されました。

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2019年末に、御世話になっている京都清宗根付館に御挨拶に行ってまいりました。

今回は、作家さんと待ち合わせての訪問です。
作る側と扱う側(展示したり、販売したりする側)が一緒に鑑賞すると新しい発見や気づきが、
お互いに生まれるように思います。貴重な時間です。

根付館さんは、毎月の企画展示や常設展の展示替えなどで、数百点の現代根付を中心に紹介している貴重な美術館です。
現代根付の豊かな世界の啓蒙に大きな力を示しています。
それに加えて、毎年のゴールデン根付アワーズの賞の授与など、作家の育成や作品に価値を付与する活動もされています。
今年は、新聞の取材も受けられて、その活動が広く紹介されました。

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日本経済新聞 11月30日 
紙面では、根付アワードを受賞した加賀美光訓さんの作品「ブラックホール」も大きく掲載されました。
(右上の左の作品)

現代根付のまとまったコレクションは、現在2箇所。
東は東京国立博物館(高円宮家コレクション)と西は京都清宗根付館(木下宗昭コレクション)があります。
大変有り難いことで、その貴重な場からたくさんのことを学んでいきたいとあらためて考える年末でした。
  1. 2019/12/29(日) 15:33:19|
  2. 加賀美光訓(山梨)

京都清宗根付館主催 第六回ザ・ゴールデン根付アワーズ受賞の御報告

みなさまご無沙汰しております。山梨の加賀美です。
ここ最近、日を追うごとに富士山麓でも木々の紅葉が進んでおり、
すっかり秋を感じる今日この頃です。


そんな中、
京都清宗根付館主催の、第六回ザ・ゴールデン根付アワーズ
「ブラックホール」にて、幸運にも受賞できたことを、ご報告させて頂きます。

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当日は、秋晴れの中、高円宮妃久子殿下はじめ、多くの御来賓をお招きしての式となり、
前回同様、改めてこの賞の重みを実感することが出来ました。


受賞作品は、宇宙空間で光をも呑み込んでしまうブラックホールと、掃除機を組み合わせ、
コミカルに表現してみました。

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最初の発想は、表にブラックホール、裏には掃除機のアイデアが浮かび、
それから派生して、地球や土星などの惑星、それだけでは作品的に寂しかったので、
宇宙飛行士を登場させ、ついでにブラックホール(掃除機)の吸引力を強調させる為、
抗う飛行士のズボンをずり下げ、その勢いで可愛いお尻がポロリ・・・
といった具合に至りました。

授賞式の招待客の皆さんの反応は、
自分としては素晴らしいアイデアだと思っていたブラックホールと、掃除機との取り合わせは一言も聞かれず、
意に反し、お尻のみの感想しか聞かれませんでした。

根付館への作品は、いつも解説文を添えていますが
今回も、ブラックホールに呑み込まれる地球の運命を、宇宙飛行士が救う壮大な物語として、
力作?の作品説明に添えていたのですが、
結果、そんな物語はどうでもよく、可愛いお尻だけが印象に残る作品になってしまったようです。

でも、このお尻が無かったら十中八九・・・ いや十中十九!
間違いなく受賞は無理だったと思うと、すべては、お尻様様でもあり、
又、このお尻をご披露している宇宙飛行士にも感謝してやみません。

作家としての思惑と、第三者の受け止め方の違いを改めて大きく感じた作品でもあり、
それを直接聞いたり、身をもって感じる事が出来た、貴重な受賞式の一日だったように思います。


また、今回受賞作の他に、過去に納めた作品も数点ですが展示され
改めて根付を始めた頃を思い起こす切っ掛けにもなりました。

根付を始めた当初は、まさか京都根付館に作品を収められたり、
幸運にも大きな賞を頂けたり、ましてや、テレビや新聞・紙面などでしか拝見出来ない、
雲の上の存在でもあられる久子さまと直接お会いでき、
また、お話をさせて頂ける機会に恵まれようとは、想像すらしたことがありませんでした。

そう思った時、趣味として作り始めた根付への興味は勿論ですが、
今、これを生業とさせて頂き、お世話になっている、花影抄さんとの出会いが大きかったと思います。
改めて、オーナーはじめ橋本さんやスタッフの方々には本当に心より感謝しております。


最後になりますが、みなさまに、又この様なご報告が出来るよう、
これからも頑張って作品作りに精進して参りたいと思います。

暦も残すところ僅かになりましたが、日一日と寒さも増して行きます。
みなさまご自愛ください。

加賀美光訓


【ギャラリーから】
「第6回ゴールデン根付アワーズ」
ゴールデン根付アワーズ受賞/加賀美光訓さん、及川空観さん。
優秀賞/栗田元正さん、山本伊多呂さん。
理事長賞/森哲郎さん
以上の方々が受賞されました。皆様おめでとうございます!
  1. 2019/11/14(木) 19:08:18|
  2. 加賀美光訓(山梨)

加賀美光訓・第二回「ゴールデン根付アワード」授賞の御挨拶

秋も深まる中、私の住んでいる山梨県富士吉田市は
霊峰富士山を仰ぎ見る街です。

今は、八合目付近まで雪化粧していますが、
これから富士山に雪が降るたび、だんだんと裾野へと近づき、
駆け足 で、冬本番へと向かってゆく季節になりました。


そんな中、京都清宗根付館で開催された、
第二回ゴールデン根付アワード賞を、無頼巴太鼓・天地双竜で、
幸運にも受賞できたことを、今回ご報告出来る事となりました。

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受賞作「無頼巴太鼓・天地双竜」2014年制作

受賞作品は、太鼓の三巴が、いつもバチに叩かれてばかりで、
もうこんな世界は嫌だ・・・ と、三つ巴のひとつが、
他の巴を置き去りにして、逃げてしまう瞬間!
太鼓に宿った天と地の龍に捕まって、やっぱり自分は、
三つ巴の中の一つだと悟り反省する、無頼な巴を図にした作品です。

11月11日、式典は天候にも恵まれ、紅葉が色好き始めた京都市内、
朝方は肌寒かったのですが、日中は小春日和のように暖かくなり、
会場になった清宗根付館の武家屋敷では、廊下に面した戸や障子を取り払い、
中庭の彩り始めた紅葉が望める座敷での式典で、高円宮妃久子殿下はじめ、
多くの御来賓をお招きしての式となり、改めて、この賞の重みを実感できたことと、
スピーチなど、貴重な経験をさせて頂いた授賞式でした。


今年もあと一か月余りとなりましたが、今年を振り返るのはまだ早いかも知れませんが
プライベートでは、いろいろ大変な事があったものの
(車での、かる~い物損事故と、財布にはおも~い修理費などなど)
でも、年迫る時期に、このような身に余る大きな賞を頂けたので、
終わり良ければ総て良しのたとえではありませんが、
いい納めの出来事だったと感謝しています。


また、式典と昼食会を終え、帰路に就く折、乗り合わせたタクシーが、
なんとも派手々々なピンクタクシーで、
そんな愛くるしい車にふさわしい女性運転手さんに聞いたところ、
京都に一台しかない、愛称が“はんなり舞子タクシー ”といって、
京都市内ではかなり有名なタクシーとのことでした。

乗車すると、幸せが舞い込(舞子)む、縁起のいいタクシーで
ブログでも多く取り上げられているそうです。

今回の賞を頂いて、もう自分の持っている運を使い果たしてしまったかと思いきや、
式典が終わったすぐ後、幸せが舞い込む縁起のいいタクシーに、
偶然にも乗車できたことは、まだまだ自分の運は尽きていなかった証ととらえ、
はんなり舞子タクシーへ、こちらでも感謝々々でした!

※画像検索「京都はんなり舞子タクシー」は、こちら!


数日過ぎた今、思い返してみれば、
根付館の木下館長並びに、花影抄さんや関係者の皆様のお蔭で、
貴重な経験と感謝の念での授賞式でしたが、
只 、自分の実力以上の大きな賞だけに、これから益々、
作品の表現を高める為の技量と知識を少しでも身に着け、
今回の賞に恥じないよう、一層精進して、作品作りに邁進してゆきたいと思います。

みなさん、今後も宜しくお願いします。

加賀美 光訓
  1. 2015/11/17(火) 16:55:46|
  2. 加賀美光訓(山梨)
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