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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り 「2019年8月/金井麻央(神奈川)」 

ご無沙汰しております。金井です。
大変暑い日々が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。
だいぶ前になりますが、6月上旬にクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナへ旅行に行きまして、
その時のことを書かせて頂こうと思います。

日本だけでなく、ヨーロッパも今年大変な猛暑であると
ニュースにもなっていますが、バルカン半島も6月から40℃越え、
2週間ほどの旅行中、後半は初めて体感するような酷暑でした。
炎天下の中、ボスニアのモスタルで小さなモスクを
外でスケッチしていましたが、途中でクラクラしてきてしまいました。
一方で石造りの教会やモスクの中はひんやりと涼しく、
湿度が低いので日陰もそれなりに涼しかったです。

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ボスニア(モスタル)の小さなモスク

そんな厳しい暑さの中、急性胃炎になり二晩寝込んだり、
海外での慣れない運転、国境付近で自分たちの下手な英語が全く伝わらず、
警察官に叱られたり(怖かった〜汗)…終始心休まらぬ珍道中でした。
無事帰国できてよかったです笑

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アドリア海の真珠と称されるクロアチアの街、ドゥブロヴニク
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なぜバルカン諸国を訪れたのかと言いますと、
アドリア海や旧市街を見たい、というのもありましたが、
私が第一に行きたかったのはボスニア・ヘルツェゴビナでした。

2017年の国立新美術館のミュシャ展でスラブ叙事詩を見たこともあり、
以前からこの地域の歴史に興味がありました。
ミュシャはチェコ出身の画家ですが、スラブ叙事詩の
制作にあたりボスニア・ヘルツェゴビナを訪れています。
そういう理由で、漠然と行ってみたいという気持ちがありました。

旧ユーゴスラビア、宗教、民族、人種問題…
島国でのんびり育った人間にはなかなかに難解で、
わかりやすい書籍を読んでみたり映画を観たりしたものの、
「民族浄化」など知れば知るほど重い気持ちなる言葉だけが頭に残り、
スラブ叙事詩が描かれた背景を知るにはまだまだ時間がかかりそうです。

わかったことは、悲しい歴史が本当に長い間繰り返されてきたということ。
小学生の頃(90年〜2000年代)、世界各地で勃発している
内戦や内紛に関する新聞記事をスクラップしていた時期がありましたが、
恥ずかしながら、どこか遠い国の出来事…としか捉えられていなかったように思います。
近年まで戦火の絶えない地域だったこともあり、旅行中戦争の爪跡を多く見かけました。
それは単純に銃弾の跡だけではなく、人々の異人種に対する視線からも感じられました。
ミュシャがスラブ叙事詩で後世に伝えたかった想いは…と考えてしまいました。

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クロアチア紛争博物館

長文になってしまいましたが、読んでくださりありがとうございました。
ヨーロッパの人達がバカンスで訪れるような国なのですが…
後半少し重い内容になってしまいましたので続きはまた次回に。


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エメラルドグリーンのアドリア海

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宿の部屋まで案内してくれた黒猫
  1. 2019/08/09(金) 14:00:00|
  2. 金井麻央(神奈川)

作家便り 「2019年6月/金井麻央(神奈川)」 

大変ご無沙汰しております。漆芸の金井麻央です。
最近、もっぱら螺鈿の貝を貼りつづけておりましたが、加飾以外の作業も
徐々に再スタートさせています。漆の乾き調整が必要な加飾の作業は、
気温がどんどん上がってくる季節になると時間が勝負になってきます。

制作が同時進行なので、一旦この作品の制作はここでストップ。
そして数カ月ほかの作品にあて、またこっちを再スタート。という作業を繰り返す日々です。

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そんな日々の中、近くの動物園に連日アラビアオリックスのスケッチに通ったり、美術館に行ったりしています。
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少し前に会期が終了しましたが、国立新美術館で開催されていたトルコ至宝展を
最終日ギリギリで観てきました。チューリップというモチーフひとつに政治的背景、
宗教的な意味合い含め、こんなにも歴史が詰まっているとは知らず、大変勉強に
なった展示でした。トルコと日本の関係も興味深かったです。

いわゆる宗教美術だけではないですが、歴史を理解した上で文様を探っていくのは
また違った視点で作品を見る事が出来るし、色々知ってしまったからには自身が
制作する上で考えなければならない事も出てくるのかもしれません。

図録は一緒に行った妹がまさかのサプライズでプレゼント!!してくれました。
漆教室の日は移動時間が長いので本を読んでいます。
最近はもっぱらイスラーム美術関連です。
読書の時間というのは意識的に作らないとなかなか読み進められなかったりするので、
そういう点では移動時間は貴重な時間になっています。
残念ながら、本を開きっぱなしで爆睡していることも多いですが…

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  1. 2019/06/07(金) 21:00:00|
  2. 金井麻央(神奈川)

金井麻央作品が採用されました(佐川印刷2019年カレンダー)

佐川印刷株式会社さより発行されましたNETSUKE ART COLLECTION CALENDAR 2019の
表紙に金井麻央作品が採用されました。
(森謙次さんは11月に掲載で、意外なところで嬉しい共演となりました)

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NETSUKE ART COLLECTION CALENDAR 2019 掌中の精華


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ギャラリーにはいってすぐのところに現在かけています。
京都清宗根付館所蔵の作品がテーマになっており、1年間楽しめるカレンダーになっています。

  1. 2019/02/07(木) 18:02:53|
  2. 金井麻央(神奈川)

作家便り 「2018年2月/金井麻央(千葉)」 

寒い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。漆芸の金井です。

急なお知らせになってしまいましたが、銀座にて漆のグループ展に参加させて
頂いております。大学の先輩、後輩、同級生というメンバーです。
毎年開催されている漆の展示会ですが、私は今回はじめて参加させて頂きます。
旧作になりますが、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さいますようお願い申し上げます。

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URUSHI WORKS 2018
2月4日(日)~9日(金)会期中無休
am12:00~pm7:00(最終日はpm4:00まで)
今井美幸、数永真太郎、金井麻央、川ノ上拓馬、田中舘亜美、中静志帆、松田環

Gallery Tanakaギャラリー田中
銀座7-2-22 同和ビル1F


最近の制作はといいますと、大変長らくお待たせしてしまっているご注文の棗、新しく彫っている
アオバトの根付、新作の額等…ばらばらですが同時進行でじわじわと進めております。

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まったく話は変わりますが、実家で子犬を迎えまして(もう5ヶ月ですが)なんというか、
とても愛嬌のある顔をしています。(美形では…ありません笑)
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完全に抱き癖がついております。
箱入りダメ息子にならないよう、気をつけねばと思います…
  1. 2018/02/04(日) 11:16:50|
  2. 金井麻央(神奈川)

作家便り 「2017年11月/金井麻央(千葉)」 

先日、大阪のアトリエヒロさんでの三人展が終わりました。
お越しくださった方、ありがとうございました。
関西での発表は初めてだったこと、工芸でもジャンルの違う大学の同期、後輩とのグループ展というのも
新鮮で、色々と勉強になることが多くありました。
今回は新作はなく、昨年から今年の夏までに制作したものを中心に展示させて頂きました。

ちょうど奈良の正倉院展の開催時期でしたので、
「羊木臈纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)」を観てきた方が「あ、こういうの見てきたわよ~」と
私の作品を見て仰ったので、なんだか嬉しくなりました。(偶然ですが、厚かましくも宝物に便乗したような…)

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正倉院展図録より「羊木臈纈屏風」

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金井麻央 作品「ハオマ」

昨年の個展では正倉院宝物をはじめとする天平文様をテーマとしており、
作品「ハオマ」は、「羊木臈纈屏風」に描かれた世界をペルシャからもたらされた形式的な文様のひとつとして参考にしていました。

羊木臈纈屏風はろうけつ染めの屏風なのてすが、日本で作られたものであり、
個人的に宝物のなかでもとても心惹かれていた作品でしたので、
今回の正倉院展で観ることができ感動しました。

正倉院展は、何十年、何百年と先を見据えて宝物を守り続けて来た人々の情熱をも感じられるような気がして、
観ていて胸が熱くなります。

お隣、興福寺では阿修羅 天平乾漆群像展が開催されてまして、そちらも観てきました。
阿修羅像をはじめ、乾漆像オールスター集結といった感じの展示空間で、とても見応えがありました。
当時の乾漆の技術の高さを改めて感じることが出来ました。

奈良の話ばかりになってしまいましたが…
この感動を糧にして、また制作に励みたいと思います。

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  1. 2017/11/15(水) 20:13:31|
  2. 金井麻央(神奈川)
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