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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

・・・起こせよ根付装身ムーヴメント

おひさしぶりの投稿です至水です。

先月、月刊美術6月号の特集「装うアートの最新形」で現代根付が取り上げられる事となり、誌上販売もされていた提物一式「蜘蛛ノ糸」は無事購入申し込みがありまして誠にありがとうございました。

目玉はなんといっても万征さん製作のカンダタ緒締(おそらく量産無しのワンオフ?)
これが無ければ蜘蛛の糸は成立しなかったので製作依頼を受けて頂いた万征さんに感謝です。
当初金属製のカンダタ緒締は田中 浩 氏の「しがみつ鬼」をカスタム依頼しようと考えていたのですが叶わず、緒締でしがみつく四肢を表現するためには素材は金属一択でしたので万征さんにお願いし、田中 浩 氏へのリスペクトと「しがみつ鬼」へのオマージュの意味で、私勝手に「しがみつカンダタ」と呼ばせて頂いておりました。

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そして蜘蛛の糸を提物として成立させるため必須な要素は当然袋物、ここは多種多様な柄生地のストックで袋物を製作されている花影抄取り扱い作家れんげ堂さんに依頼。
根付紐をよじ登るカンダタが見下ろす地獄の様を表現する柄生地ってあるものかと?自分でもネット検索しまくるもなかなか難しく、れんげ堂さんより提案頂いた幾つかの「蜘蛛の糸」括りの柄サンプルの中にも「地獄」ズバリそのものの柄はやはり無く・・・
しかしその中に河鍋暁斎「髑髏の生活図」的な柄があり、何か妙に引っ掛かりまして、髑髏というには肉付き良く亡者に見えるし、中央の奴は周囲の亡者に「オイ上見て見ろ」と紐よじ登るカンダタを指さす仕草に見えてしまって、こんなラッキー、一期一会ってやつだなと。

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さてここで「いやー美術雑誌の特集記事に現代根付をピックアップして頂いて良かった良かったホックホク♪」で終わらせてはいけません。
月刊美術の誌上販売申し込み受付期間が終わり諸々の結果から、根付を実用する形でのセールスは現状なかなかに難しい、というのがGalleryの総括だったようです。

現代根付ムーヴメント以降、根付彫刻家は生き残りを賭け根付を美術工芸品として製作し、今現在も大半の根付コレクターは根付を根付単体で美術工芸品として愛でているのだろうなと、それは自分も実感しています。
根付製作に於いて重要な、外せない決まり事、枕詞の様に付き纏う「実用を大前提に」という前置きは、実用しない事を大前提にした言葉ではないの?とずっと引っ掛かっていて、履く事なく飾られるスニーカーコレクション、走らされる事なく飾られるNゲージコレクション、1㎜もアクションされず剰えブリスターパックを開封される事も無く壁に貼り付けられるアクションフィギュアコレクション、などなどなど・・・
入手後どう扱おうが購入者が決める事、その通り!コレクションは良い趣味だし、対象が何であれそれも楽しみ方の一つだし、自分もコレクター気質あるしで全然問題ないのだけれど、根付を全く知らない人に「根付ってなんですか?」と問われたら、あなたが返す言葉があるでしょう?それが根付ですよね?

たまには紐を通して何処かへ帯同してあげて欲しいなと、そんな事願いながら、今日も明日もこの先もずーーーーーっと、使われる「道具」としての根付を至水は彫って行きます。

・・・起こせよ根付装身ムーヴメント
  1. 2020/07/10(金) 21:07:35|
  2. 至水(北海道)

作家便り「19年7月 /至水(北海道)」

至水です

2019年7月末、毎夏友人と二人参加しておりますワンダーフェスティバルですが、
今回はGallery花影抄を我々の卓へ巻き込んでの出店参加となりました。

先ずは会場へお越しいただいたお客様、ブースに足を止めていただいたお客様方、
誠にありがとうございました。
そして快く賛同してくださいましたGalleryと出店参加いただきました作家の方々、
イレギュラーな出店準備作業をさせてしまいましたGalleryスタッフの皆様に
心より御礼申し上げます、ありがとうございました。

そもそもの発端は、今年はGalleryが出店申し込み受付期間中の
エントリーに間に合わず不参加になったとお聞きしており、
であれば私達の出店スペースに余裕がありますので、
間借り出店しませんか?とお声がけさせて頂いたのが始まりです。
イレギュラーな出店でもあり、どうせならばと、
昨年好評を博した妖怪グループ展「勿怪の幸い」を、
ワンダーフェスティバルと言う舞台で、極々小規模の「勿怪の幸いプチ」的な扱いで
実現出来ないものかと御提案させて頂きました。

ワンダーフェスティバルの会場で、客層で、
現代根付が売れるのか?という声も耳にします、意義は?と。

至水は2013年夏のワンダーフェスティバルから参加して
途中一度出店しない年があっての今年で6度目の出店になります。
初回はレジン製の根付を製作しましたが、二度目の出店から
いつも通りの至水の「根付」を彫刻しワンダーフェスティバルへ出店しています。
それを続けている理由は一貫して「ワンダーフェスティバルの会場には
未来の根付ファンになり得る人達が絶対にいる」を信じて疑わないからです、
自分がそうだったから。
その方達にフルサイズの現代根付を提示したい、見て触れて実感して頂きたい、
そして何年か後にでもGallery花影抄の誰かしらの個展に来られたお客様が
「あの年ワンダーフェスティバルで初めて知った現代根付を
とうとう買いに来ちゃいました」と、こんな話は夢物語なのでしょうか。

今回は本当に無理なお願いでGalleryを巻き込み
所属作家の方々を振り回してしまったと、今になって心苦しさの方が
勝っているというのが正直なところですが、今回のような形で
ワンダーフェスティバルを経験された皆様がこの後どう展開されて行くのか、
御覧頂けたお客様はどう感じられたのか、
結果が見えるのはまだまだ先の事かもしれません。

あの時花影抄のブースに来られ熱心に解説を聞いて頂いたあなたと
再びGalleryでお会いする日を想いつつ、至水はワンフェス出店し続けます。

また来年も幕張メッセでお会いしましょう!

ありがとうございました。

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  1. 2019/07/30(火) 18:13:57|
  2. 至水(北海道)

作家便り「18年12月 /至水(北海道)」

今年から花影抄ブログ月イチ連載を請け負いながらお約束果たせず、剰え自らのブログ「悪魔ノ天秤」の更新さえ停滞中・・・
色々と申し訳なさすぎの至水ですお久しぶりです。

至水戌年年男!なんて勢いで幕を開けた2018年、9月のグループ展を頂点に以後色々ありすぎてまたも寡作地獄へ転落し、あっという間に締めを迎えそうな師走です。
根付を彫り始め8年経ち、8年前に出来なかった事が出来る様になった半面、当たり前の様に出来ていた事が出来なくなっているのは・・・老いのせい・・・周辺も含めそんなお年頃と言えばお年頃なのか。
しかし時間が過ぎ去る体感は日増しに加速していて、加速しているのだから、あたふたと焦燥し立ち止まってられんのです。

とは言え、こんなどんよりネガティブな文章とは裏腹に、実は来年に向け超前向きな至水です。

そうね

人魚の生き血を探してみよう。

2019年も何卒宜しくお願い致します。

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2010年10月のギラギラした死水を思い出しつつ・・・
  1. 2018/12/25(火) 19:07:27|
  2. 至水(北海道)

至水 掲載情報/月刊美術 2018年9月号「アートとしての 神獣・もののけ」

現在発売中の月刊美術9月号。アートとしての神獣・もののけという特集に
至水を取り上げてくださいました。私の異界創作録として、個々の作品に
関しての言葉も掲載頂いています。

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ぜひ、手に取りご覧ください。
現在ギャラリーで開催中の「勿怪の幸い展」にも参加しています。
作品もギャラリーにて手に取ってご覧くだされば嬉しいです。
  1. 2018/09/02(日) 17:35:59|
  2. 至水(北海道)

作家便り「18年6月 /至水(北海道) [中国のこと 其の一]

中国のこと 其の一

FacebookやTwitter等のSNS、ワールドワイドウェブな世界のどこかでたまたま目にされた方も既にいらっしゃるのではないかと思いますが、至水の製作した根付が中国で販売されております。

先日Galleryからもアナウンスがあったように、上海の「元气造物」http://www.elementcreat.com/ では、花影抄所属作家の作品の他、現代根付作家の作品が販売されています。

※こちらも合わせて御一読ください
・根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog「中国と根付の関係、これまでとこれからと。」その1
http://hanakagesho.blog17.fc2.com/blog-entry-2048.html
・根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog「中国と根付の関係、これまでとこれからと。」その2
http://hanakagesho.blog17.fc2.com/blog-entry-2050.html



もうあれは何年前の事だったでしょうか、買い手がつかず根津の根付屋の販売ページに暫く掲載されていた至水の根付「狐火」を、Galleryを訪れた中国のお客様が購入されまして、その頃から販売ページに新作がUPされる度に、 中国から直接Galleryへ購入問い合わせメールを送られる方や、日本の代行業者経由で購入される方等、中国のお客様が増えていったと記憶しています。

中には至水の新作は全て買うと仰られる方も居り「こっ、これはパトロン登場・・・約束された生活安定!」と歓喜の雄たけびを・・・
と、実際そうは思えませんでした。

これでは日本に至水の作品が残りませんし、今まで買い支えて頂いていた日本のお客様にも申し訳がたたない。
しかし海外のお客様も至水の作品を評価してくださり購入して頂いている訳ですから、「日本人以外に販売しません」も有り得ません。
そこで、より多くの「至水の根付を欲して頂ける方々」の元に作品を届けられる機会を、ある意味平等に担保すべく、抽選での購入者決定という形を取らせて頂く事に・・・

勿論「元气造物」もお客様の一人として毎回抽選に参加しており、当選した作品が「元气造物」の販売ページに掲載される事になっております。

その後Galleryと元气造物の交流が始まり、元气造物の所属作家を尊重する姿勢や目指す所を知る事ができました。

「私がなる、中国の花影抄」

この元气造物開設者の言葉を鵜呑みにし応援しようと考えた至水は果たして愚かなお人好しなのか・・・

これからの展開が楽しみでならんのです。

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狐火から始まった中国との御縁
何が売れるか何がきっかけになるかなんてわからない
しみじみ思う至水です・・・

  1. 2018/06/30(土) 19:02:59|
  2. 至水(北海道)
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