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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り「18年9月 /中梶真武(神奈川)

中梶です。
少し前になりますが、三菱一号美術館で開催中の「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」に行ってきました。

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先に行かれた方々の感想で聞いていた通り、ディスプレイが凝っていて陰の落ち方など雰囲気が出ていてよかったです。
あえて展示品に当てる光を抑えているような部屋もあり、その中で煌く宝石、金やプラチナで作られた枠の輝きは、
夜の光の中ではこんな感じで見えるんだろうなと想像しながら見られた事が新鮮でした。

僕の周りでは1800~1900年代の品の方が良いという意見が多く、
自分も使っている石や、枠の作り、留め方など面白いと思うのはその辺りの品でしたが、
現代の作品、特にティアラなども全体のまとめ方が上品でとても素敵でした。

ダイア、ルビーなどを使った物の他に、半貴石を使った作品も多く、
それらも興味深く見てきたのですが、その中で石を上手く使う難しさも改めて感じました。
自分の作品で石を使う時も、ワンポイントで使うだけで印象が大きく変わるため、
ただ模様や色が面白い石を使えば良いという事でもありません。
そこが難しく、またどう使うかを考えるのが楽しい所ですが。

今回のショーメ展だけでなく、ハイジュエリー系の展示などに行くと特に思うのですが、
美しさというのはそれだけで強さであり正義だなと。
自分の作品でもそのように感じてもらえるものを作っていきたいです。

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これらは撮影可の部屋に並べられたティアラの試作品です。落ちる影も美しい!
これだけでもかなりのボリュームでいくらでも見ていられました。

もうすぐ終わってしまう展示ですが興味のある方は是非行ってみてください。
僕も会期中もう一度見に行く予定です。

三菱一号館美術館
ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界
―1780年パリに始まるエスプリ
2018年6月28日(木)〜9月17日(月・祝)
https://mimt.jp/chaumet/
  1. 2018/09/10(月) 09:00:01|
  2. 中梶真武(神奈川)

作家便り2018年7月 中梶真武(神奈川)

中梶です。
暑い日が続きますが皆さんいかがお過ごしでしょうか。
僕は仕事場が古い木造アパートなため冬は寒く、夏は物凄〜く暑いので、
この時期は鋸や鑢仕事などをすればあっという間に汗だくになっています。

そんな仕事場に春先辺りからお仲間が増えました。

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ニシアフリカトカゲモドキというヤモリです。


幼い頃、恐竜好きからの爬虫類好きで、ミドリガメから始まり、グリーンイグアナ(なぜか祖母の庭の木から落ちてきた!!)を飼育していたのですが、
根付のモチーフを探している時に調べたり、花影抄にいるヒョウモン様を見せてもらったりしているうち、
また生き物を飼いたいなという気持ちが少しずつ大きくなりお迎えしました。

特にモチーフとして観察するためというつもりもなく飼育し始めたのですが、
やはり生の動きを観察して、ちょっとした仕草、柔らかい体の曲線などは
作るものに良い影響を与えてくれているように感じます。
少し前に作った「蠑螈」という根付を作る時は体の流れなど、とても参考になりました。

今ではもう1匹増えて仕事の合間に眺めたりして良い気分転換になってます。

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写真はケージ掃除の時に手に乗せたらグイグイと腕を登ってきてなぜかここで落ち着いている図。です笑
  1. 2018/07/31(火) 12:06:09|
  2. 中梶真武(神奈川)

作家便り「18年4〜5月 /中梶真武(神奈川)

こんにちは、中梶です。

先日、横浜ワールドポーターズで開催されていたミネラルフェスタに行ってきました。
このイベントにはここ数年、仕事場からすぐに行ける距離なのもあり毎回行っているのですが、
回を重ねる毎に賑わいも増しているように感じて、グルっと回りながら見ているだけでも楽しめました。

カットされた物から原石まで、ブースごとに取り扱っているものは様々です。
今回は珪化木と黒曜石をメインに面白い表情の石を選んで入手してきました。
いつも根付の瞳の象嵌などに使っている、透明感のある水晶やアメジストなどのキラッとした美しさとはまた違った渋い魅力がありますね。
こちらの方は象嵌などのポイントで使うというよりも彫刻向きの素材かもしれません。
加工せずそのままでも美しいのですが、彫って磨いてと手を加えて行く中で思いもよらない表情を見せてくれるのが面白いところです。

今はこれらを眺めながらどのような作品にしていこうか考えていて、
やっぱりこの時間は物を作る上で本当に楽しいことの一つだなといつも思います。

自分の作りたいものと材料がパチッと合わさるタイミングがあるので、
石材もしまい込まずにいつも目に入るところに置いているのですが、
数が増えて来てそこら中にゴロゴロと転がっているカオスな状態なのでそろそろ専用の棚を用意せねば…です!

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珪化木
木化石とも呼ばれますが字の如く長い年月をかけて木が石化したものです。物によってはしっかり木目が残っていて硬さもあるので磨けば良いツヤが出そうです。もっと大きなものもありますがこれもなかなか!
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黒曜石
よく見かける真っ黒なものとは違い赤茶っぽい部分とマーブル状になっています。彫ったらいい表情になるのでは。
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  1. 2018/05/06(日) 21:01:11|
  2. 中梶真武(神奈川)

作家便り/ 「2018年2月/中梶真武 (神奈川)」

お久しぶりです、中梶です。

今回は根付制作の合間に少しずつ進めてる宝石彫刻のお話を少し。

今はアゲートの原石を加工して蛸を作っています。メノウと言った方が聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。
原石の時点でちょうど掌に収まるくらいの大きさで表面の質感も面白い石だったので、それを残しながら形を出しています。

昨年、宝石彫刻の作品を展示していた際に根付として使えるような作品も見てみたいとのご意見をいくつか頂き、
自分自身もやってみたかったので今回は紐通しも有りです!

アゲートに限らずジュエリーなどに使われている多くの宝石は硬度が高いため、
根付の材料としている鹿角や黒檀などに使っているヤスリなどの工具ではなかなか加工が出来ません。
そのためダイアモンド工具をメインに形を出していくのですが荒彫り以降になると市販の工具では手が届かない部分も出てくるので、
既成の工具を改造したり、一から作ったりして試行錯誤しつつも楽しみながら進めています。

彫刻も仕上げの磨きも普段の制作と比べるとかなり時間がかかりますが、石を使うことの面白さも大きいですし、
自分なりに一つずつやり方を確立していけば色々なことが出来そうです。


ちなみにこんな感じで進行中です!


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  1. 2018/02/20(火) 16:21:55|
  2. 中梶真武(神奈川)

作家便り「17年12月 /中梶真武(神奈川)」

ひと月ぶりです。中梶です。

先日、六本木ヒルズ展望台で開催されている「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」へ行ってきました。

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ブルガリのアイコンとも言えるような「セルペンティ」を中心に蛇というモチーフに焦点を当てた展示で、
ジュエリーだけでなく彫刻、絵画などの現代美術の作品も多く観ることができ、予想とは違ったところでも楽しめました。

展示会場の最後に「セルペンティ」の初期から現代に至るまでの品が順番に展示されていて、
デザインの変化なども感じることができたのも良かったです。
個人的にはこの展示に向けて作られたという最新の作が洗練されていて好みで、
ダイアと合わせてオニキスやスネークウッドをカーヴィングして加飾に使用している物もあり、
この辺りの異素材感が不自然にならないようなバランスのデザインや作りは上手いなぁと。

自分で根付作品を作る上で、
ジュエリーに用いられている貴金属、宝石などの素材や石留めなどの加飾を良いバランスで
根付の中に取り入れたいという考えは常々あるのですが、
上手く使わないと品が無いただただ違和感のあるものになってしまうと感じているので
デザイン化、デフォルメをした中でどのようにそれらを効果的に合わせていくかという事を
課題としてもう少し深く考えて手を動かして行こうと思います。

この展示は、ジュエリー、美術、蛇、どれかが好きなら楽しく見れると思いますので
興味ある方は行って損はないかと思います。展望台からの景色も良いですよ。

僕もここ数年上がってきた爬虫類熱が現在最高値に来ているので
単純に蛇モチーフ縛りの展示というだけでも観ていてテンションが上がりました。
ヘビ、カメ、トカゲ…良いなぁ。


そして、今年ももう少しで終わりですね!

少し早いですが、今年も有難うございました。
皆さま良い年末年始をお過ごしください。
それでは良いお年を!

中梶
  1. 2017/12/21(木) 12:12:12|
  2. 中梶真武(神奈川)
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