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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

中梶真武の根付が、短編小説に登場!


先日、ちょっと面白い出来事が起こりました。

中梶真武さんの根付「抱玉幽蛇」が、インターネットで小説を発表している嗣人さんの書く短編小説の文中に姿を現したのです。



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https://note.com/tuguhito/n/nc058e23fecfa


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中梶真武「抱玉幽蛇」 - 根津の根付屋内/作品掲載ページはこちら!


今まで、自分たちが扱ってきたもの(作家さん達が作ってきたもの)は、すでに存在していた物語に登場するものが多くあったりします。
昔話・神話、歴史上の物事などですが、そこから根付作品の題材を得て制作することも多いのです。

ところが、今回は、まず真武さんの根付が確かに存在して、それが小説家の手によって架空の物語の中に現れたということなのです。
お知らせをいただいて、小説を拝読した時に、実在の根付が架空の世界に入りこんで息づいていることに不思議な驚きと感動がありました。


この奇跡は、もともと真武さんが御客様にご依頼を受けて、蛇が玉を抱えている根付を制作した事から始まり、
その方が、小説家の嗣人さんのことも贔屓にしておられたことで繋がり実った出来事です。
幸せな実りだと思います。

実在する作品が、ノンフィクションとフィクションの世界を出たり入ったりして、
世界が広がっていくことがあるのは、それは素敵で刺激的なことだなあと思いました。
今後も、条件が揃えば、いろいろな展開がありえるなあと楽しみになります。



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嗣人さんの小説は「note」で読めます。
「夜行堂奇譚」
https://note.com/tuguhito

ご興味のある方は是非!

根津の根付屋/橋本 達士
  1. 2020/06/01(月) 20:55:17|
  2. 中梶真武(神奈川)

作家便り 「2019年10月/中梶真武 (神奈川)」

中梶です。
今日は少し新しい試みで作品を作ったのでそのお話をさせていただきます。

僕は骨董市などで古い道具を見て回るのが好きで、
気に入ったものを集め、実際に使ったりもしています。

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良く使っている古い鑿と糸鋸。
特に糸鋸は握りの部分がとても手に馴染みます。

市に並べられた道具たちは、過去の持ち主に使われる事によって、
それぞれ変化し、独特な雰囲気を持っています。

それは長く使われる事によってしか出てこない物ですし、
そこにとても魅力を感じます。

そのため、自分の作品でも、使い込んでいく上で傷や汚れも含めて
変化を楽しめるような物を作れないかと考えました。

今回は僕自身が美しいと感じた大工道具や古い時代の
石斧などの形をモチーフにして、それらを見た時に感じた印象を大切に、
手馴染みのよい、使いやすい形を意識して制作しました。

素材や仕上げも傷やカケ、割れが出たとしても
それ自体が景色となるようなものを選んでいます。

普段作っている生き物をモチーフとした作品よりも
要素を削ってシンプルな形にしているので
根付としても使いやすい物になっていると思いますし、
全く別の使い方をして楽しんでいただくのも良いのではないかと思います。

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  1. 2019/10/28(月) 12:00:00|
  2. 中梶真武(神奈川)

作家便り 「2019年8月/中梶真武 (神奈川)」

お久しぶりです中梶です。
梅雨も明けて毎日暑いですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

ここ何回かはブログで工具の話をしていたのですが、
先月とても面白い展示を見てきたので
今回はそのお話をさせてもらおうと思います。

ロエベファンデーション クラフトプライズ2019の
ファイナリストの作品が青山の草月会館内、
イサム・ノグチの石庭「天国」に並べられていました。

「クラフト」の重要性を世に問い、それらを作るアーティスト達の
評価を目的としたコンテストということで、陶磁器や宝石、金工、
漆、木工など様々な素材、技法で作られた作品が
展示されていたのですが、どれもが素晴らしかったです!

確かな技術と時間をかけて作られた作品というのは見てわかるのですが、
それだけに寄りかかっていないというか、
それはそれとして作品自体が美しいものばかりでした。

展示会場も高低差のある空間で
様々な角度から作品を観ることができたのも良かったです。

展示作品には形の出し方であったり、仕事の過程がストイックで
自分の好みのものが多く、とても刺激を受けました。

根付となると細かな細工であったり、具象的な作品になりがちですが、
それだけでなく素材自体の面白さであったり、
全体の形の美しさなどを重視したものも
何か作りたいなと改めて考えています。

それが根付になるか、それ以外のものになるかわかりませんが、
用途があって手元に置いておきたくなるような
何かを作り出していければなと。

クラフトプライズ、この先日本での作品展示があるかはわかりませんが、
毎年開催されるようなので今後も観ていきたいです。

展示自体は終わってしまいましたが検索すると色々出てくると思うので
興味がある方は調べてみてください。

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作品紹介のパンフレットもなんだかおしゃれでした♪閉じ方とか。
  1. 2019/08/08(木) 14:38:44|
  2. 中梶真武(神奈川)

作家便り 「2019年6月/中梶真武 (神奈川)」

中梶です。

先月の事になりますが、念願の京都に行くことが出来ました。

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清宗根付館、三年坂美術館とずっと行きたかった所も
観ることが出来て満足でした。
写真では見ていた作品も、当たり前ですが実物は良いですね。
特に根付館では先輩方の数多くの作品を見て、
自分はどこを目指していきたいのか改めて考える良い切掛になりました。
京都、また行きたいです。


そして、道具の話。
前回ヤスリのことを書きましたが今回は予告通りリューターを。

僕が使っているのは基本的に2台で、
ひとつめは長田電気工業さんから出ているオサダサクセス。

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軸の精度が高く、低速での馬力もあり、
荒彫りから仕上げの細かな仕事まで全ての工程でメインで使っています。
使用時に静かなのも良いです。
根付を始める前からなのでかれこれ10年ほどハードに使っていますが、
時々メンテをしながら今もしっかり働いてくれています。
もちろん根付だけでなくジュエリーの仕上げでも活躍してくれています。


もう一つはフォアダムのリューター。

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モーター直付けパワータイプなのでゴリゴリ荒彫りする際や、
金属にドリルで穴あけの時などに使っています。
あとはハンドピースがドリルチャック式のため
取り付ける軸の太さを選ばないのも助かりますね。


僕が根付を作る際、どちらを使うにしても攻めすぎないように
気をつけています。
電動工具はどんどん形が出せるため、楽しくなって気づくと
リューターだけで形を決めてしまいがちになるのですが、
ヤスリや左刃は材を「切る」感覚なのに対し、リューターでの加工は
どうしても「ちぎる」ような感じになってしまう気がします。
特に木材を削る時などは切削面がもさもさしてしまうので
勢いに任せて進めず一歩、二歩手前でヤスリや左刃に持ち替えて
形を見直しながら完成に向けて攻めていくように意識しています。
とはいえ、リューターでゴリゴリ削って形を出している際、
その荒々しい切削痕と作品の塊感がとても魅力的に見えるとこがあり、
このままで仕上げてしまいたい!と思う事も多いのです。

根付は触り、使う前提のものなので磨きが行き届いていないと
そこから汚くなってしまいます。
そのため削りっぱなしで終わりにすることがなかなか難しいですが、
そういう質感や荒彫りにある良さを残して仕上げきるという作品も
今後作っていけたらと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
ヤスリ、リューターと来たので次回は左刃行こうと思います!
  1. 2019/06/17(月) 18:00:00|
  2. 中梶真武(神奈川)

中梶真武 掲載情報 「婦人画報」 2019年6月号

「婦人画報」 2019年6月号の連載「レンズを通して」にて、中梶真武さんの作品を御掲載いただきました。

旅する根付 穏やかないのしし。(写真:文 高円宮妃久子殿下)

真武さんの作品「ひととき」は、2012年の作品です。

銀を象嵌する技法などに取り組んでいた頃の作品で、スマートで優しい印象の猪です。

今回、真武さんにとっては「旅する根付」に作品を初めて取り上げていただくこととなりました。

やはり、懐かしい気持ちで作家共々掲載して頂いたことを喜びました。

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今号で一緒にご紹介いただいたのは、泉水さんの「招き亥 ウリンボ取れたよ」。

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「婦人画報」-(ハースト婦人画報社)- webサイトはこちら。
  1. 2019/05/08(水) 19:23:25|
  2. 中梶真武(神奈川)
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