根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

作家便り「17年11月/かぶ(東京)」

1/21から始まります「愛でたい和こもの展」に参加致します。

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ひとつ目は三階松の家紋を少しアレンジした提げです。
三階松の高さを出そうと霊芝雲を加えてみました。
反対側には、家紋の梅鶴が彫ってあります。
梅と鶴を組み合わせてしまうというところがとても斬新で、しかも可愛いので気に入っている家紋です。
側面は市松文様にしました。茜と藍を混ぜた染料で染めています。

ふたつ目はふかふかのお座布団の上で寝ている猫です。
誰か来たな♪とちょっと目を開けて見ているところです。
座布団は約二センチ角なので、猫は極小サイズです。

みっつ目は、昔から好きで作っているフォルムの猫「立猫」です。
いつから作っていたんだっけ?と調べてみましたら、こんなブログがありました。

http://kabunekoseisakusho.blog118.fc2.com/page-1.html
(こちらのブログの作品につきましては、掲載のショップにて現在は取り扱っておりません。)

昔、ほんとにほんの一時だけ書いていた私のブログです。
もう何年も更新しておりませんが、まだ残っているんですね~。

これを見ると2004年に初めて作ったようなので、もう13年も経ってますね!

この「立猫」は以前に飼っていた三毛猫がモデルです。
私はその三毛猫のすがたかたちが大好きで、なんとか作品にしたいな~と思って作ったのでした。
思えばこれを作った事が、私が今根付を作っている事に繋がっているのかもしれません。 

この他、二~三点を出品する予定でおります。

昨年は私事ながら色々あり刃が捗りませんでしたが、今年はもう少しペースを上げて
作って行ければな、と思っております。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
  1. 2017/01/17(火) 21:50:00|
  2. かぶ(東京)

作家便り「16年11月/かぶ(東京)」

「秋の夜長の声明」

[平安の秘仏ー滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち]という展示を見て来ました。

本当は[驚きの明治工藝]展を見るつもりだったのですが
私の勘違いで、行った時にはこちらの美術館はもう閉館時間でした。

私はこういう間違いが多いので、チェックをしてから行くようにしているのですが
チェックをして行かなかったら、やっぱり閉まってたか・・・と。

さてどうしようと思いながら、上野駅の方向に歩きだしだのですが
そういえばトーハクなら夜間開館をしている日もあるなと思い
前まで行ってみたところ、見ようかな~と思っていた
[平安の秘仏ー滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち] のポスターが見えたので
予定を変更してトーハクに行って来ました。

そうしたら、この日は[「天台聲明七聲會」による聲明(声明)公演]というイベントがありますとのことで
せっかく間違えて来たのだからと、声明を聴いてきました。

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その日はちょうど秋の風が吹き始めた頃でした。
陽が沈んでトーハク本館の壮麗な建物がライトアップされる中で
歌声のように声明が流れて、この日は思いもかけず
良い秋の夜長を過ごす事が出来ました。

後日、[驚きの明治工藝]展も無事に見て参りました。



  1. 2016/11/02(水) 20:11:42|
  2. かぶ(東京)

作家便り「16年8月/かぶ(東京)」

暑い日が続きますが、どのようにお過ごしでしょうか?
今が盛りと蝉も鳴いていますね。

先日、夜も更けてから、窓のすぐそこで「かなかなかな」と鳴く声が聞こえました。
「かなかなかな…」と鳴くこの蝉を、私は「かなかな」とその鳴き声のままに呼んでいましたが
この蝉は「ひぐらし」の事だったんですね。
「ひぐらし」の鳴き声を聞くなんて、久しぶりの事でした。

子どもの頃、夏休みになると母親の実家に遊びに行っていました。
母親の実家は農家で、母屋は茅葺き屋根に広い土間、高い天井に真っ黒になった太い梁。
部屋の周りをぐるりと囲った濡れ縁に寝そべって、庭に咲いている夏の花々を描きながら
井戸水で冷やしたスイカを食べ、暗くなれば花火という
今にして思えば、絵に描いたような夏の曰を過ごしていました。

ちょうどお盆の時期でしたので、回り灯籠の青い灯りが部屋をぼんやりと照らしていて
夜更けになると虫の音以外は聞こえず、回り灯籠につられて動く影に、怖い思いを抱いていたものです。
裏庭にはスイカ畑があり、幽霊が出るよとからかわれ、昼間でもその畑を見ないようにと
裏庭が見える窓をよけていました。

お盆の時期でしたから、お墓参りに行くのですが
母親の実家の方では、日が落ちて暗くなってから行くのが習わしでした。
その曰になると白い浴衣を着て、蝋燭の火がちらちらと瞬く赤色の提灯を手に持って
土葬のお墓に行くのでした。
回りのお墓からもぽつぽつと赤い提灯の火が見えて、ほんとうなら怖いはずが
いつも何故か、わくわくとしてお墓参りをしていました。

その後何年かして、茅葺き屋根の母屋は現代的な家に建て替えられ
母親の実家に泊まりに行く事もなくなってしまいましたが
でも今でも「日本の夏の湿った空気」の原風景として、あの頃の私があるのだなぁと
かなかなの声を聞いて、まざまざと思い出したのでした。

まだしばらくは暑い曰が続くようですね。
皆様、お体にお気をつけて、お過ごしください。

先月、不忍池で撮影しました。

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  1. 2016/08/10(水) 17:31:48|
  2. かぶ(東京)

作家便り「16年4月/かぶ(東京)」

先日もこちらで紹介がありましたが「たばこと塩の博物館」にて
[細密工芸の華 根付と提げ物]という展示が行われております。

私も[「猫と提灯」その後]という題の根付を、一点出品しております。

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「猫と提灯」その後


何故、"その後"なのかと申しますと
明治頃の浮世絵師に小林清親という方が居まして
その清親が「猫と提灯」という題の浮世絵を残しております。

提灯の中に逃げ込んだねずみの尻尾を猫が押さえている場面、が彫られています。
はっしと押さえた時の表情が、とても猫らしいです。
可愛いし、これ作ろうと簡単に考えて作り始めました。

ちょうどこの根付を作っている最中に、実物を見る機会に恵まれまして
去年の今頃、原宿の太田記念美術館での「広重と清親」という展示に
「猫と提灯」も展示されておりました。

こんなにも細かく彫って、幾重にも刷ってあるとは!と驚く繊細な浮世絵でした。
大層な題材を選んでしまったな~と思いました(汗)

この根付は、その浮世絵の「その後」を想像してみた根付なのですが
押さえたはずのねずみの尻尾が猫の手をすり抜けて、提灯に出来た割れ目から逃げて行こうとするので
猫は追いかけて提灯に入ってしまい、ねずみが目の前から居なくなってしまったら
そんな逃げて行ったねずみの事はもう忘れてしまって、提灯に入って満足顔。
そんな場面です。

ちなみに、提灯に入っている家紋は「抱き茗荷」という家紋で、茗荷が冥加に通じるという事で
大変縁起の良い家紋だそうなので、根付にもそのまま彫りました。

この展示は7/3までですので、ご覧頂ければ幸いで御座います。
良い根付が沢山展示されており、本で見ていたあの根付が!と、私も大変勉強になりました。


たばこと塩の博物館  webサイト
「細密工芸の華 根付と提げ物」展
2016年4月2日(土)〜7月3日(日) 10:00~18:00
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  1. 2016/04/30(土) 19:11:07|
  2. かぶ(東京)

作家便り「16年3月/かぶ(東京)」

先日「柄鏡の美」という展示を見て参りました。

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これは國學院大学博物館の企画展で、展示スペースとしては広くはありませんでしたが
100点ほど展示されていて、まとめて見る事のない柄鏡という物が分かって面白い内容でした。

鏡と言えば海獣葡萄鏡が有名ですが、江戸時代になるにつれ実用品となり
鈕のふくらみがだんだんと無くなり、柄がついて、文様的装飾から絵画的な表現になってゆき
浮世絵で描かれるあのような鏡になっていったという事が説明されていて
梅に鶯の図、兎の図、猿の図など根付としても良く使われる身近な題材や
漁師の図、富士山の図などもありました。

江戸時代に使用されていたという柄鏡も展示されていて、鏡面が見られるようになっており
実際に覗いてみますと、ちょっと暗いものの輪郭などはっきり分かるくらいちゃんと映っていて
こういう風に見ながら紅をひいたりしていたんだ~と思ったのでした。

ちなみに、こちらの博物館は沢山の縄文土器が常設展示してあり
「死者の書」を書いた折口信夫ゆかりの品の展示もあります。
なにより、入館料が無料です!
山種美術館と根津美術館の中間あたりにありますので、春めいて来た今日この頃
お近くに来た方はお散歩がてら寄っても良いかもしれませんね。

國學院大學博物館webページ

ちなみに入館料無料と言えば、こちらにも良い博物館があります。
東京駅のすぐそばのKlTTEの2F3Fにある「インターメディアテク」という所で
東京大学の学術標本が常設展示してあります。
剥製や骨格標本が沢山あり展示の仕方も格好が良いので、何回行っても見飽きない空間です。
勉強にもなって、とっても有り難い所でもあります。

インターメディアテクwebページ

そして我が家の近況…
「春眠暁を覚えず」
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  1. 2016/03/04(金) 20:40:00|
  2. かぶ(東京)
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