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根津の根付屋 & Gallery 花影抄 blog

東京・根津にある主に現代根付、立体作品をご紹介しています、Gallery花影抄のblogです。
展覧会や取扱作家情報などを発信しています。

現代根付の二次販売

■現代根付の二次市場をどう考えるか。

先日、阿部賢次さんの旧作による作品販売展示会を終えました。
御来場下さいました皆様、お買い上げ下さいました御客様には、心より御礼申し上げます。

会期中には、御客様、愛好家の方々はもちろんのことですが、現代根付のディーラーの方々や、作家の方々から、多くのご意見をお伺いする機会を頂きました。そのことは本当に貴重な機会となり、勉強になる10日間でした。
あらためて、感謝申し上げます。有り難う御座いました。


本当に難しい問題、新しい可能性、両方を含んだものが「現代根付の二次販売」と思います。
「現代根付運動」が始まった頃から、数十年が経過して、そろそろ作品が手放される、二次マーケットに出てくる、或は売りに出したい!という潜在的な需要は、可能性として現実的な問題として、出てくるのではないでしょうか。(また、所有作品を手放して、新しい作品を購入するというサイクルも、アンティークでもアートコレクションでも、ある流れです。)
新作発表の価格に対して、どのくらいの価格が適正なのか?・・・・ということがありますが、やはり本来、「市場価格」というのは「市場」が決めることだと思います。欲しい!と思う人がどれくらいの数か?ということでしょう。しかし、例えば、「本」というもので言えば、チェーン店の古本屋に持っていくと、均一な価値判断で安くなってしまう本でも、専門の古書店に持っていけば、良い価格に設定してもらえる可能性はあるわけで、なにかそういう機能を作っていくことは必要なのではないかと考えています。インターネットのオークションなどでしか、販売の機会が無い!という状況を何とかしたいですし、そういう場を確保して、ある程度のコントロールが届くようにすることで、新作の値段・価値というものも、守っていけるのではないかと思いました。

とは言っても、自分たちのギャラリーの規模で出来ることは、限界もすぐ見えてしまいます。
シンプルに考えるならば、やはり自分のところの出入りの作家さんの作品以外は、旧作のものも本当には扱えない!ということかもしれません。自分のところで新作を扱っている作家のものでしたら、自分たちがこれくらいの値段で扱いたい!という基準が自然と感覚としてあるのだろうと思いますし、作家本人とも意思確認をしながら、進めていけます。そして、そのことが「ギャラリー出入りの作家さんへのギャラリーからのサービス」にもなりうるのではないかと考えました。

キャリアの若い作家が多い「根津の根付屋」では、齋藤美洲・小野里三昧が、やはり過去に世の中に発表・販売した作品数が多く、ひとまずは、このお二人の市場をどう扱っていけるのか?そういうことになりそうです。

(スタッフ・橋本)

※齋藤美洲・小野里三昧作品ほか、「根津の根付屋」で取り扱いのある作家の作品を所蔵しておられる方で、販売をお考えの方は、ギャラリーまで御相談下さいませ。
  1. 2010/01/21(木) 22:44:33|
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